CW:コンテナストレージはアリなのか?(後編)
「コンテナでストレージ」が意外に有用な理由
コンテナそのものを永続ストレージのプラットフォームにするというアイデアは、一見すると不適切だ。しかし、それを上回る数々のメリットがある。
前編( Computer Weekly日本語版 3月7日号 掲載)では、コンテナ環境に求められるストレージの要件をまとめた。
後編では、コンテナによるストレージ提供の可能性を検討する。
Computer Weekly日本語版 3月20日号無料ダウンロード
本記事は、プレミアムコンテンツ「 Computer Weekly日本語版 3月20日号 」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
コンテナによるストレージの提供
永続ストレージとコンテナの問題を解決する1つの方法は、コンテナそのものをストレージプラットフォームとして使用することだ。
一見、この考え方は適切だとは思えない。コンテナは一時的なものであり、いつでも破棄できる。また、個々のコンテナのIDは、従来型ストレージのIDのように固定されることはない。ホストWWN(World Wide Name)やiSCSI IQNという概念もない。それでは、コンテナによる永続ストレージはどうすれば実現できるだろう。また、そうする価値がある理由は何だろう。
まずはコンテナによる永続ストレージを実現する「理由」から考えてみよう。
前述のように、コンテナは短命となる可能性があり、効率を考えて設計されている。I/Oスタックを可能な限り取り除くことで、コンテナ環境全体のパフォーマンスを高めている。ストレージをコンテナとして提供すると、アプリケーションとストレージの通信が同じサーバ上のプロセス間通信になるため、通信パスが非常に軽量になる。アプリケーションを移動するたびに、新しいホストのコンテナがストレージへのアクセスを提供する。ストレージコンテナがまだ存在していなければ専用のコンテナを稼働させることもできる。
データを複数のホスト間で保護して利用可能な状態にするには、バックエンドで多くの作業が必要になるのは明白だ。だが、その作業は従来のストレージアレイほど難しくはない。なぜなら、ほとんどのアプリケーションはどの時点においても1つのコンテナしかデータボリュームにアクセスしないためだ。
このようにストレージへのアクセスを分離することにより、NVMeの普及とともに生じる「共有コントローラー経由のデータパス」という問題が1つ解決する。NVMeは従来のSAS/SATAよりもパフォーマンスが格段に優れているため、共有コントローラーがストレージの新たなボトルネックとなっている(訳注)。ハイパーコンバージドシステムがストレージの容量とパフォーマンスをスケールアウトサーバアーキテクチャ間に分散するのと同じように、分離によってこの問題が緩和される。
訳注:詳しくは「 NVMeが速くない理由 」を参照。
コンテナによる永続ストレージを「どのように」実現するかという疑問は、永続化を行う場所を見れば解決する。
答えはメディアにある。メディアは、HDDか、その機能を提供するフラッシュドライブのいずれかだ。構成やアクセスなどは、データを複数のノードとデバイスで確実に保護するために使われるコンセンサスアルゴリズムによって、複数のノードとメディアに分散できる。そうすることで、ストレージを提供するホストやコンテナが機能不全に陥った場合、別のホストやコンテナが稼働したり、ワークロードが(アプリケーションそのものなどの)残りのノードでバランスを取り戻したりすることが可能になる。設計上、データはアプリケーションとともに移動することになる。
コンテナストレージを提供するベンダー
こうしたアーキテクチャはPortworx、OpenEBS、Red Hat、StorageOSなどの新興企業が実装している種類のものだ。いずれも分散ノードベースのスケールアウトアーキテクチャを採用し、ストレージとアプリケーションが同じプラットフォームで実行される。本質的には、これはコンテナのハイパーコンバージドモデルといえる。
Scalityの「RING」や、Cisco SystemsとSpringpath(後にCiscoが買収)が共同で開発した「Cisco HyperFlex」など、コンテナ環境のみに対応するわけではなく、スケーラビリティを考慮しアーキテクチャ内でコンテナを使用するものもある。
どのベンダーでも、コンテナオーケストレーションプラットフォームとの統合は不可欠だ。コンテナオーケストレーションプラットフォームとして代表的なのが「Kubernetes」で、「Kubernetes Volumes」はストレージをコンテナ環境でマッピングするのに恐らく最も適している。
機能の成熟とともに生じる問題
テクノロジーの進化とともに考えなくてはならない問題が幾つかある。
続きはComputer Weekly日本語版 3月20日号にて
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 3月7日号 逆に考えるんだ「GDPRはチャンスだ」と
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly日本語版
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
4
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
5
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
6
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
7
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
8
大阪証券取引所がHiRDBで実現した「世界トップレベルの応答速度」を誇る新売買システム
-
9
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
10
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー