知っておきたい、ネットワーク性能を左右する物理層の重要性と認証試験の必要性LAN配線の新設や拡張をする前に

クラウド、モバイル、IoTの普及、そしてAIや5Gの本格到来により、データ量は爆発的に増大。今後、その性能が保証されたネットワークインフラの構築が強く求められていく。

2018年04月26日 10時00分 公開
[ITmedia]

 デジタル技術の進化により、オフィス環境はもちろんのこと、工場/ファクトリーオートメーション(FA)領域においても、十分な性能を発揮できるネットワークインフラの重要性が増している。

 さらに近年では、IoT(Internet of Things)を背景としたビッグデータ活用、エッジコンピューティングなどの導入も進んでおり、スマート化が加速。それに伴い、より高性能なネットワークインフラの構築ニーズも拡大し続けている。実際、市場調査会社のIDC Japanによると、国内産業用ネットワーク機器市場は2017〜2022年の年間平均成長率(CAGR)が21.4%と2桁成長を遂げ、2022年には224億円規模に拡大する見込みだという。この数字からもネットワークインフラの果たす役割の大きさがうかがえる。

 情報通信システム全体の基盤をなすネットワークインフラは、時に人間の「血管」にも例えられ、そのパフォーマンスを最大限に発揮できなければ、企業活動に大きな支障を来してしまう。製造業でいえば、安定した生産活動に影響を及ぼす可能性もあり、万一の際の損失額は計り知れない。

 そのため、安定的な性能を発揮できるネットワークインフラの構築が重要となってくるわけだが、意外にも「配線は、ただつながっていればよい」といった物理層に対する“間違った認識”を持たれるケースも少なくない。もちろん、断線などは問題外だが、本来のネットワーク性能を発揮するには、規格に定められた部材や機器、配線手法を用い、なおかつ業界標準(ISO/TIA/JISなど)に基づく性能要件を満たす必要がある。

 では、ISO/TIA/JISなどの業界標準で規定されたネットワーク配線性能の要件をクリアするにはどうしたらよいのだろうか。また、要件を満たしているかどうかの保証は、何をもってされるべきなのか……。冒頭の通り、ネットワークインフラが果たす役割は、年々大きくなっており、新規のLAN配線や増強を視野に入れている企業も多い。それだけに、本稿を参考にして、ネットワーク性能に関する知見や認識を深めておいて損はないだろう。


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