既存システムをカスタマイズせず連携、シームレスな会計データハブ2025年の崖を克服するために

システム連携の複雑化、属人化に伴うメンテナンス性の低下、グループ企業ごとに異なるERPの導入、企業買収による決算期の相違、基幹システムのSaaSへの移行など、会計システム連携における企業の悩みは尽きない。

2020年08月31日 10時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 密結合された既存のERPパッケージがカバーする広範な業務機能を分解し、クラウドサービス、中でもSaaSを含む複数のアプリケーションを疎結合でつなぐ――。こうした新しいERPのコンセプトをガートナー ジャパンは「ポストモダンERP」と呼ぶ。日本企業はこのポストモダンERPや、国内外に展開するグループ企業で単一の基幹システムを使用するグローバルシングルインスタンスの実現をあまり得意としていない。さらには近年、ポストモダンERPのコアとなるERPやグループ会計システムについてもSaaSに移行する動きが加速している。

 また、長期間にわたりカスタマイズを繰り返し、ブラックボックス化したレガシーシステムのモダナイゼーションができず、データを有効活用することができない場合、市場の変化に対して柔軟に変更することができない。デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現できず、デジタル競争の敗者になってしまう「2025年の崖」をいかに克服するかも企業が抱える課題となっている。

 中でも企業にとって大きな課題は、企業の経営管理と財務ガバナンスの中核となる会計システムとその周辺システムを、ビジネス環境の変化に合わせて迅速に変えることだ。例えば、会計処理が複数の基幹システムに散らばっている場合、会計ルールの変更やシステム更改、事業の拡大などが発生した際、各システムの仕様変更や開発に多大なコストと時間がかかったりする。さらに、「財管一致」「コンプライアンス」など経営に関する企業の課題は多数ある。本稿では、これらをいかに解決すればよいか、事例を交えて紹介する。


提供:TIS株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTargetジャパン編集部