AI系資格を取得した「セキュリティエンジニア」こそ将来有望になる理由AIセキュリティ認定資格【前編】

セキュリティ分野でキャリアアップを図る上では、AIセキュリティ認定資格の取得が有効だ。ただし、資格取得が無駄にならないように判断は慎重にしよう。AIセキュリティ認定資格のメリットとデメリットを考える。

2024年12月18日 05時00分 公開
[Jerald Murphy, Sharon SheaTechTarget]

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 セキュリティ業界では、人工知能(AI)技術を脅威の検知や対処に活用する動きが広がりつつある。AI技術を活用するのは、守る側だけではない。攻撃者もAI技術をマルウェア開発やフィッシングメール作成に取り入れ始めている。こうした中、AI技術の知識はセキュリティ専門家にとってもはや不可欠だと言える。AI技術の知識を身に付け、その知識を職場で生かすには、認定資格の取得が有効だ。AI技術関連のセキュリティ認定資格を取るメリットとデメリットを紹介する。

「AIセキュリティ認定資格」を取得する理由はこれだ

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 AIセキュリティの認定資格を取得するメリットは以下の通り。

  • 専門知識を身に付けていることの「証明」になる
    • AI技術をセキュリティにどう活用できるかを理解していることを証明できる
    • AI技術を使った脅威検知や侵入防止、インシデント対処といった仕事を任せられる人材だということをアピールできる
  • キャリアアップを図るための出発点になる
    • セキュリティ専門家としての価値を高めてキャリアアップにつながる可能性がある
    • 最新技術の知識を吸収している姿勢を示すことで、セキュリティ分野の管理職への昇進につながる可能性がある
  • AI技術によるリスクの理解度を高められる
    • AI技術を使ったさまざまな攻撃の手口に関する理解度を高め、防御力の向上につなげることができる
      • 例えば、機械学習モデルへの敵対的攻撃(入力データにノイズを加え、機械学習モデルの誤判定を誘発する手法)や、データポイズニング(学習データを操作し、機械学習モデルをだます手法)、モデル反転攻撃(学習データを盗む手法)などの手口が挙げられる。
  • スキルのブラッシュアップができる
    • 急速に進化するAI技術にキャッチアップできる
      • 認定資格の学習コースでは、AI技術を巡る最新の技術動向やツール、活用法などについて学べる
      • 一部の認定資格では、取得した資格を維持するための継続的なトレーニングが求められる

AIセキュリティ認定資格のデメリット

 AIセキュリティの認定資格を取得するデメリットは以下の通り。

  • 変化のスピードが速い
    • セキュリティ分野では新しいAI技術や活用法が次々と登場しているので、取得した資格があっという間に時代遅れになる恐れがある
    • 長期的に役立つ資格を見極めるのは簡単ではない
  • 認定資格が選びにくい
    • 普遍的なAIセキュリティ認定資格はまだない
    • それぞれの認定資格がカバーするAIセキュリティの領域は異なるので、どれが本当に役立つのかを判断するのは簡単ではない
  • 時間と費用がかかる
    • AIセキュリティ認定資格の取得には時間と費用がかかる
    • 仕事にAI技術の知識が不要なのであれば、資格取得をする価値がどれほどあるのか分からない
  • 仕事内容との関連性が分かりにくい
    • AIセキュリティスキルの需要は高まっているものの、全てのセキュリティ職においてAI技術についての深い知識が必要なわけではない
    • AI技術を使ったツールを直接使用していないなら、認定資格の取得に大きなメリットはない

では、どうすればいいのか

 上記のメリットとデメリットを考えると、AIセキュリティ認定資格を取得するかどうかの判断は、自身の職務や希望する今後のキャリア、認定資格の内容といった複数の要素に左右される。AI技術に強い関心があって長期的に携わりたいと考えている人であれば、AIセキュリティの認定資格取得に価値があるのは間違いない。


 後編は、具体的に4つのAIセキュリティ認定資格を紹介する。

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