Queue-itはAkamai Technologiesと共同で、botによる悪質なアクセスの集中を防ぐ仮想待合室サービスを発表した。両社が展開する仮想待合室サービスの特徴は。従来型の仮想待合室とはどのように違うのか。
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)やセキュリティツールを手掛けるAkamai Technologies(以下、Akamai)と、「仮想待合室」ベンダーQueue-itは2025年10月7日、両社が共同で開発した新サービス「Hype Event Protection」の提供を開始したと発表した。
仮想待合室は、人気イベントのチケット販売や限定商品のオンライン販売といったユーザーのアクセスが集中することが予想されるイベントのWebサイトで、ユーザーのアクセスを一時的に制限、調整するための仕組みだ。
人気商品やコンサートチケット、コラボグッズなど、在庫が限られており、かつ需要が高い商品を、botを使ってユーザーが買い占める、転売するといった手法が広がりを見せている。中には、ユーザーの20倍以上のbotがWebサイトにアクセスするケースも確認されているという。
こうした状況を放置すれば、消費者は公平な購入機会を得ることができなくなり、企業では信頼の失墜や運営コストの増大といった問題が発生する。
Hype Event Protectionは、悪意あるbotをリアルタイムで検知、識別して対処するAkamaiの「Bot Manager」と、Queue-itの仮想待合室によるトラフィック制御を組み合わせることで多層防御を実現している。これにより、botのアクセス速度と大量の同時アクセスや操作を封じ込めることが可能だ。
Hype Event Protectionが、不正なbotを排除し、正規のユーザーを保護する仕組みは以下だ。まず、Queue-itの仮想待合室にユーザーを誘導する。この段階で、Bot Managerはユーザーを分析し、悪意のあるユーザーを特定するためのデータを確保する。Webサイトがオープンすると、正規のユーザーはランダムに順番を割り当てられ仮想列に並ぶことができる。一方悪意のあるユーザーはこの段階でアクセスをブロックされるか、列の最後尾に割り当てられる。これにより、botが再びアクセスする余地を与えず、不正行為を封じ込めることができる。
2025年8月、欧州最大級のチケット販売事業者が複数のイベントでHype Event Protectionを導入した。この結果、200万件超のbotを排除し、正規のユーザーがチケットを入手できる確率を従来の50倍に高めることができた。200万件超という数字は、全トラフィックの98%だったという。
日本国内で展開している仮想待合室サービスも紹介する。
トヨクモの仮想待合室は、アクセスが集中しているWebサイトで、ユーザーの待機人数や待ち時間の目安をリアルタイム表示する。順番がまわってきたら、ユーザーを自動で待合室から目的のWebサイトへ移行させることが可能だ。仮想待合室は、グループウェアを提供するサイボウズが開発したノーコードツール「kintone」との連携情報公開ツール「kViewer」「FormBridge」のエンタープライズ版で利用可能だ。
特定のWebサイトにユーザーのアクセスが集中した際、仮想待合室を設置し、ユーザーに整理券を配布する。Webサイトのパフォーマンスを損ねず、顧客対応品質の低下も防ぐ。
GMOペパボは、ECサイト構築サービス「カラーミーショップ byGMOペパボ」を展開しており、カラーミー待合室はカラーミーショップの機能の1つだ。ユーザーのアクセスが集中しているWebサイトとは別に待合室のページを表示し、ユーザーに目的のページが表示されるまでの待機人数を表示し、ユーザーの離脱を防止する。botは待機列の最後尾に配置されるようになっている。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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