SSL証明書「47日ルール」に備えるIBM新サービス 月100時間の作業を“ゼロ”にミスと工数の二重苦を解消

日本IBMは、SSL/TLSサーバ証明書の有効期間が47日に短縮される新要件に適合する新サービスの提供を開始した。証明書の更新作業を自動化し、セキュリティと運用効率を両立する。

2025年11月04日 11時30分 公開
[TechTargetジャパン]

 Webブラウザベンダーと認証局が参加する会議体「CA/Browser Forum」は2025年4月、SSL/TLSサーバ証明書(以下、SSL証明書)の有効期間を段階的に短縮すると決定した。これによって、2029年3月15日以降に発行されるSSL証明書の最大有効期間は47日となる。

 日本IBMは2025年10月31日、この要件を満たせるようにする新サービスの提供を開始した。本サービスの導入によって、SSL証明書の更新にかかる工数をゼロにできるという。

サービスの概要は

 同サービスは、機密情報管理およびデータ暗号化サービス「HashiCorp Vault」(以下、Vault)と、統合自動化ソフトウェア「Red Hat Ansible Automation Platform」(以下、AAP)を中核としている。

 証明書の有効期間が47日に短縮されれば、従来の手作業による証明書の管理や更新の工数は急増し、作業漏れや遅延によるシステム障害のリスクが高まる。

 日本IBMによると、本サービスではVaultが「証明書と秘密鍵を補完する金庫」としてSSL証明書の安全な保管と管理を担う。AAPは「ワークフローツール」として証明書を更新、配布する。IT運用の高度化を支援する可視化ツール「IBM Concert」を組み合わせることで、Vaultに保管されたSSL証明書を鍵長やハッシュアルゴリズムのポリシーに基づいて可視化し、SSL証明書の有効期限や更新状況をダッシュボードで把握できるようにする。これによって、SSL証明書の有効期限切れや管理漏れを早期に検出することを支援し、更新作業を自動化できる。

 アプリケーションの稼働状況監視ツール「IBM Instana Observability」を使ってシステム全体を監視するとともに、VaultやAAPの稼働状況をリアルタイムに可視化する。これによって、SSL証明書更新プロセスの継続性を保証する。日本IBMによると、一般的な企業は100枚以上の証明書を保有し、従来の手動更新には毎月100時間以上を要していたが、本サービス導入によって工数を削減できる。

画像 新サービスの構成(提供:日本IBM)《クリックで拡大》

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