AI技術の利用が広がる中、業務効率化だけではなく、生産性の向上にもつなげることが重要だ。具体的にはどうすればいいのか。オーストラリアの「3つの活用例」から考える。
仕事が増えているのに、生産性は上がらない――。プロジェクト管理ツールベンダーmonday.comのアジア太平洋・日本地域担当副社長兼ゼネラルマネジャーのディーン・スワン氏はそう指摘する。同氏によると、生産性を高めるには、AI(人工知能)の活用が欠かせない。
スワン氏はシドニーで開催された同社の年次イベント「Elevate 2025」で、AIは「現代の働き方を根本的に変える」と強調し、具体的な活用事例を紹介した。どのようなものなのか。
スワン氏によると、monday.comは、「ソフトウェアを業務に使用する」のではなく、「ソフトウェアに業務をしてもらう」ための製品開発に取り組んでいる。AIエージェント構築ツール「Agent Factory」を投入し、高度な技術知識を持たないユーザーでもAIエージェントを作れるようにしているという。
monday.com最高収益責任者(CRO)のケイシー・ジョージ氏は、「AIを活用することで、業務の効率化だけでなく営業部門の成約率の向上にもつながる」と述べる。同氏によると、同社製品のあるユーザー企業では、営業部門への問い合わせ電話に対応するAIエージェントを構築した。その結果、3カ月間で450件のアポイントメントが決定し、220件の見込み客を生み出したと報告している。
Elevate 2025では、monday.com製品の他のユースケースも紹介された。以下で見てみよう。
テニスの国際大会の1つ、全豪オープンの運営を手掛けるTennis Australia(テニス・オーストラリア)は、2020年にmonday.comの製品を導入した。Tennis Australiaの施設運営・物流ディレクター、エマ・ホプキンス氏によると、同団体は施設のセキュリティや清掃、物流など、40件以上のプロジェクト管理にmonday.comの製品を活用している。
その一つは、メルボルンにあるスポーツ競技場「Melbourne Park」(メルボルン・パーク)に仮設構造物を建設するプロジェクトだ。Tennis Australiaは以前、メルボルン市からの承認を得るために、約1万件の文書をメールで管理する必要があったとホプキンス氏は説明する。現在はこのプロセスを、monday.comの製品を使って効率化させている。
建設業者は構造物の図面や、防災対策の資料といった必要書類をmonday.com製品にアップロードする。メルボルン市は同じ製品で書類を確認し、フィードバックを提供する。建設業者は即座に変更を加えることができるという。
不動産事業を手掛けるRay Whiteは、プロジェクト管理とコンテンツ制作の間のギャップを埋めるために、monday.comの製品を利用している。同社のマーケティングチームはローコード開発ツールベンダーZapierの同名ツールを使って、monday.comの製品とデザインソフトウェア「Canva」を統合し、コンテンツ制作業務を自動化している。
例えばRay Whiteは、同社が扱う高級住宅を紹介する月刊誌『Luxury Homes』を発行している。制作に当たり、販売価格帯でフィルタリングされた候補リストが作られ、担当者が実際に掲載する物件を選択する。その後、データはmonday.comの製品からCanvaに送信され、ページレイアウトが自動生成される。
Ray Whiteマーケティング責任者のトッド・アレキサンダー氏はこの自動化によって、10分で70ページの雑誌を制作できると述べる。「monday.comの製品がなければ、Luxury Homesを制作することはできない」と説明する。
同社は他にも、地域イベントを後援する際に掲載情報を入力するだけで後援ロゴを自動生成したり、新入社員が入社したとき、その人の名前と写真を入力してマーケティング用の社員紹介資料を自動生成したりすることにもmonday.comの製品を利用しているという。
家具小売業者のFreedomは、monday.comのCRM(顧客関係管理)ツール「monday CRM」をドロップシッピングの管理業務に利用している。ドロップシッピングとは、販売者が在庫を持つことなく、注文が入ったときに商品をメーカーから直送するビジネス形態を指す。
Freedomのドロップシップ責任者、クエンティン・ウィリアムズ氏によると、同社は約200社のサプライヤーから卸売りで約5万5000製品を購入している。しかし急速な成長によって、その管理が難しくなっていたという。解決策としてFreedomはmonday CRMをメールクライアント「Microsoft Outlook」と統合し、サプライヤーとのコミュニケーションを管理したり、サプライヤーに必要なコンプライアンス(法令順守)情報を提供したりする仕組みを構築した。ウィリアムズ氏は、「これによって、取引の各段階で情報を確実に記録できるようになった」と説明する。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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