AIがコードを書く時代、「何を学ぶべきか」は変わり始めている。コーディング以外で価値を持つスキルとは何か。AnthropicのCEOが、人間にしかできない領域と、これから重要になる能力を語った。
人工知能(AI)がコードを書く時代が現実になりつつある中、人間がわざわざ学ぶべきスキルは何か。AnthropicのCEOダリオ・アモデイ氏は、「コーディングは最初にAIに置き換わる領域」だと述べる。本稿は、同氏が語る「今コーディングを学ぶべきか?」「コーディング以外に学ぶには何がいいのか」を紹介する。
アモデイ氏は、AIの中でも特にClaude Codeがコーディングの在り方を急速に変えつつあると指摘する。さらに、ソフトウェアエンジニアリング全体も将来的にAI中心になると予測している。
ここで重要なのは、役割の変化だ。アモデイ氏は、人間にはこれから、単純な実装よりも「何を作るか」を決める力が求められると指摘する。一方、対人コミュニケーション、デザイン、チーム管理、設計やユーザー理解といった領域は、人間の関与が続くという。これは、AIが得意な処理と対照的だ。AIは論理的で反復的な作業を得意とする。一方、人間関係や文脈理解は依然として人が担う領域だからだ。さらに、AI単体では完結しない領域では、従来の工学や実務の知識が重要になる。デジタルと物理の両方を理解するスキルが価値を持つようになる。
AIがあらゆるものを生成できる世界では、「何が正しいか」を見極める力が重要になる。そこでアモデイ氏は、偽情報や誤った内容を見抜く能力が成功に直結すると指摘する。これは知識ではなく、情報を評価する力だ。AIの出力をそのまま受け取るのではなく、疑う視点が求められる。本を読んで蓄積した知識を武器にする「ブックスマート」ではなく、実体験を知恵や知識に落とし込める「ストリートスマート」であることが成功の鍵だ。
アモデイ氏によると、コーディングはAIが先に担い、エンジニアリングは人間が担う状態だ。しかし、最終的にはAIがエンドツーエンドを処理可能になるとみている。そのような中、人間のスキルは落ち続ける一方なのか。アモデイ氏は、「使い方によっては能力が低下するケースがある」と指摘する。例えば宿題をAIツールに投げ込んで答えを待つだけでは、人間には何も残らない。
一方で、適切に使えばAIは学習を支援するツールになる。生産性を向上させるために、AIが95%を担い、残りの5%の作業に人間の強みを生かすための戦略作りが大切だ。
AIツールは非エンジニアにも広がっている。ただし、使いこなすには一定の学習が必要だ。プロンプトの設計は、ピアノのように繰り返しの練習が必要だとアモデイ氏は話す。教育コンテンツの整備は進んでいるものの、自分の手を動かし、実践を通じて習得することが重要だ。
本稿は、2026年3月10日に公開された「Should You Learn Coding Now? Anthropic CEO Explains」を記事化したものです。
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