Cisco Systemsは、企業の無線通信活用を分析した調査レポートを発表した。6000人以上への調査から、無線LAN投資による業務効率や収益への効果が明らかになった。一方、様々な課題が浮き彫りになった。
Cisco Systemsは2026年4月2日(米国時間)、調査レポート「Cisco State of Wireless Report」を発表した。企業における無線通信技術への投資やその導入・活用状況をまとめたものだ。調査結果からは、Wi-Fi(無線LAN)が単なるネットワーク用のインフラにとどまらず、企業の成長を促すエンジンへと進化していることがうかがえる。
同レポートは、世界の30の市場や業種の企業(従業員250人以上)に所属する無線通信に関する意思決定者や技術専門家6000人以上に対するインタビュー調査結果に基づいている。
IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)ワークロード、4K/8Kストリーミングといった高帯域アプリケーション、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)の台頭を背景に、企業は無線インフラのモダナイゼーションに向けて、以下のように無線支出や予算を大幅に増やしている。
次世代規格への移行も加速しており、企業の6割近くが2027年に、「Wi-Fi 6E」もしくは「Wi-Fi 7」を導入する計画だ。
無線LANインフラのモダナイゼーションを進めている企業は、以下の複合的な効果を享受している。
この結果からは、無線LANへの投資が、測定可能なビジネス価値の創造に貢献していることが分かる。
無線LANの運用にAIを使えば、ネットワークの運用自動化、最適化、障害の検知、復旧を効率化することができる。その一方、AIを活用すればするほどネットワーク環境は複雑化し、運用や監視の難易度は上がる。セキュリティリスクは増大し、運用を担う人材の確保が困難になる恐れがある。
この「ワイヤレスAIパラドックス」についてCisco Systemsは、この課題を克服すれば、企業が無線LANでのROI(投資対効果)を達成する可能性は4倍以上高まると述べる。
では、企業はワイヤレスAIパラドックスにどのように対応しているのか。調査レポートは、具体的な課題と企業の現状を示す調査結果を以下の通り紹介している。
98%の企業が、「無線LANネットワークが複雑化した」と答えた。IT部門は障害対応などのチケット処理に追われ、戦略的な業務に時間を割きにくくなった。この問題を解決するに当たっては、AI駆動の自動化が有効な解決策となり得るとCisco Systemsは指摘する。同社によると、AI自動化を導入済みの企業の98%は大幅な効率改善を実感しており、IT部門の担当者1人当たり1日平均3時間20分、年間850時間以上の時間を節約できているという。
AIに起因するセキュリティインシデントが、無線LANのセキュリティリスクを増加させる要因だ。レポートによると、企業の過半数は無線LANにひも付くセキュリティインシデントで発生した金銭的損失を経験している。被害を受けた企業の半分は、損失額が年間100万ドルを超えていた。被害を受けた企業の3分の1以上は、IoTまたはOT(制御技術)デバイスの侵害を原因として挙げた。
無線LANの運用を担当するリーダーの9割近くは、条件を満たす担当者の採用に苦労していると回答した。その原因は、AIやサイバーセキュリティ分野への人材流出だ。さらに、深刻な採用難に見舞われている企業は、それ以外の企業と比べて、年間のセキュリティインシデントコストが70%高くなる可能性があるとレポートは指摘している。
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