ウイングアーク1stが実施した調査によると、BIツールやデータ活用の導入担当者の約9割が、生成AI時代でもBIツールは必要だと考えていることが分かった。BIツールができてAIが難しい機能は?
「生成AIがあれば、BI(Business Intelligence)ツールは不要になる」。こうした見方がある一方で、企業のデータ活用担当者の多くは、むしろAI時代だからこそBIツールの重要性が高まっていると感じる調査結果が発表された。
BIシステム「MotionBoard」を提供するウイングアーク1stが実施した調査によると、BIツールやデータ活用の導入担当者の92.9%は、既にAIを活用したデータ分析や可視化を経験していた。その上で、「生成AIやAIツールの台頭によってBIツールの必要性が高まっている」と回答した人は54.2%に上り、「変わらない」(34.9%)を含めると、約9割がBIツールの必要性を支持していることが分かった。
調査では、AI時代においてもBIツールが必要だと感じる理由を尋ねた。その結果、「リアルタイムでのデータ監視や異常検知は、AIだけでは運用が難しいから」(58.7%)が最多となった。
続いて、「帳票出力やPDF・Excel形式でのレポート作成はBIツールの方が適しているから」(55.7%)、「社内の複数データソースを一元的に統合・管理するにはBIツールが必要だから」(52.0%)が上位に並んだ。
生成AIは自然言語で質問すれば分析結果を返せるのが強みだ。一方、企業の現場では「継続的な監視」「異常検知」「定型レポート」「複数システムの統合管理」といった“運用”の役割が依然として重要視されている実態が調査から浮かび上がった。
調査では「BIツールの必要性低下を感じる理由」も尋ねた。その結果、BIツールの必要性が低下していると感じた層からは、「自然言語でデータに質問すれば分析結果が得られるから」(65.5%)が最も選ばれた。「AIの方がコストを抑えられると考えるから」(51.7%)、「BIツールの学習コストや運用負荷を削減できるから」(27.6%)という回答もあった。
AI時代にBIツールを選定・見直す際の基準を尋ねた質問では、「リアルタイムデータの可視化・モニタリング機能」(53.6%)が首位となった。次いで、「AIとの連携・共存ができる拡張性」(39.5%)、「導入・運用コストの低さ」(37.1%)が続いた。
さらに、BIツールの選定において「AI連携機能の充実度が重要」と回答した人の割合は、「非常にそう思う」(39.5%)、「ややそう思う」(53.6%)を合わせて93.1%だった。
BIツールに求めるAI連携機能を聞いた結果、「AIによるデータの異常値・傾向の自動検知とアラート」(70.3%)が1位。続いて、「AIを活用した需要予測やトレンド分析」(50.8%)、「ダッシュボードやレポートの自動生成・最適化」(39.1%)が並んだ。
調査結果からは、企業がAIに“分析そのもの”を完全に任せたいというよりも、「異常を見つける」「傾向を予測する」といった発見支援をAIに担わせ、その結果をBI基盤上で継続監視や業務判断につなげたいと考えている実態が見えてくる。
ウイングアーク1st 技術本部 VPoEの橋田哲尚氏は、「AIが得意とする『問いに対する回答の生成』と、BIツールが担う『継続的な業務監視と運用の安定性』は本質的に異なる役割だ」と指摘する。
その上で、「AIとBIを対立構造で捉えるのではなく、それぞれの強みを前提にした“共存アーキテクチャ”として設計する視点が重要になる」とコメントしている。
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