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契約交渉で主導権を握るための4段階戦略
一般にベンダー契約は極めて一方的になっていて、CIOは自社の利益を守る必要に迫られる。しかし契約交渉で主導権を握ることは可能だ。
CIOにとって、力の均衡がベンダー側に大きく傾いている場合、IT契約の交渉は困難になる。一般にベンダー契約は極めて一方的で、CIOは自社の利益を守る必要に迫られる。CIOが主導権を握り優位に立つためには、交渉に際し体系的な4段階のアプローチを取ることだ。複数のベンダーと同時に交渉を進めるのもこれに含まれる。中にはこうしたアプローチを部分的にしか必要としない取引もある。しかし各段階を経ることで、交渉プロセスは確実に公平で均衡の取れた契約に結び付く。
第1段階:準備
準備段階でやっておくべきこととして、自社の事業ニーズおよび見込みベンダー各社についての調査、洗い出し、情報収集がある。こうした情報はすべて契約書、作業指示書、プロジェクト計画書に盛り込まれる(あるいは起案に使われる)ことになる。この段階でさらに交渉戦略を練り、全関係者の役割と責任分担を決めておくといい。
第2段階:見積依頼書(RFP)に契約書を盛り込む
契約が一方的にベンダー側に有利になるのを避けるため、自社の法務に諮って用意しておいた契約書をRFPに盛り込むことを検討するといい。RFPには、各ベンダーが契約に返答する際のルールも入れておく。ベンダー各社は契約の各条項について個々に書面で回答しなければならない、と定めた書面発行方式なら、ベンダー側が持ち掛けてくる変更提案の数を減らし、交渉にかかる時間を短縮できる。ベンダーは得てして交渉に長けているから、あなたの側は一致団結してかかり、自分たちとのコミュニケーションの取り方に関する根本のルールをRFPを使って示す必要がある(窓口は1人に絞るなど)。あとはこのルールをしっかり守ることだ。そうすることで、相手を分裂させて征服する戦略を使ったりおとり販売的な商法を取るといった、ベンダーにありがちな交渉術をかわすことができる。
第3段階:ベンダー評価の単純化
契約に対する各ベンダーの回答を見極めるには時間がかかる。各契約条項と各ベンダーの反応を記載した一覧表の作成を検討するといい。一覧表によって評価がしやすくなり、全体像に焦点を当てられるようになる。各ベンダーの反応を個々に評価して、互いに比較することができるからだ。
第4段階:交渉手順の確立
前もって確立しておいた交渉手順に一貫して従う必要がある。日々の交渉の要点をまとめること、各回の交渉について時間を追ったスケジュールを決めることもこれに入るかもしれない。
双方の陣営の交渉チームに意思決定できる者がいれば、交渉はさらにうまく進み、時間もかからずに済む。是か非かの決定を下せる権限を持った人物がそれぞれのチームにいれば、決定ずれ込みによる時間と金の浪費は減り、ベンダーから「後ほどご連絡します」というありきたりの返事が返ってくることも少なくなるだろう。最後に、各ベンダーとの交渉に費やす時間は制限を設け、スケジュールをきっちり守ること。これによって焦点がぼけることなく時間の有効利用が促進され、遅れも少なくなる。
交渉の主導権を一部握られることに対してベンダーが及び腰になる可能性もあるが、プロセスが公平で扱いやすく、時間と金がかからずに済むということがそれぞれの陣営に分かってくるだろう。あなたの会社は主導権を維持・行使することで、自社の条件に従って作成されたIT契約の恩恵を受けることができる。
本稿筆者のマット・カーリン氏は法学士、経営学修士で米シカゴにあるニール、ガーバー&アイゼンバーグ情報技術プラクティスグループの会員。
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