1Wayサーバで実現する“中小企業に効く仮想化”仮想化とIAサーバのトップベンダーがタッグを組んで実現!

「サーバ台数が少ないと導入効果も低いのでは」といった理由で仮想化の導入をためらう中小企業が多い。だが仮想化は中小企業にこそ効く。仮想化ソフトとIAサーバのトップペンダーがタッグを組んでそれを実証する。

2012年12月17日 00時00分 公開
[ITmedia]

中小企業でこそ導入メリットが大きいサーバ仮想化

 サーバ仮想化は、企業のITシステムを支える基盤技術として当たり前のものになった。特に、社内に多数のサーバを持つ大企業では、仮想化によりサーバを集約することでコスト削減効果を得られることから積極的な導入が進んでいる。

 しかし中小企業では「サーバ台数が少ない小規模なシステムでは、サーバ集約によるコスト削減効果も少ないのでは」といった考えから、中堅以上の企業に比べて仮想化の浸透率は低い。また、「仮想化導入には多額のコストが掛かる」という先入観も、仮想化の導入をためらわせる要因となっている。

 だが、こうしたネガティブな考えは、仮想化の一面しか見ていないことから発している。まず第一に、仮想化の導入メリットは「サーバ集約によるコスト削減」だけではない。ヴイエムウェア マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングマネージャの桂島 航氏は、中小企業における仮想化の導入メリットについて、次のように述べる。

ALT ヴイエムウェア マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングマネージャの桂島 航氏

 「中小企業でもサーバ集約によるコスト削減効果は享受できるが、それ以上に重要なのがシステム運用管理の効率化だ。例えば、従来はシステムを停止できる休日に出勤して物理サーバのメンテナンス作業を行わなければならなかった。その点、仮想化のライブマイグレーション機能を使えば、システムを停止させることなく仮想サーバを別の物理サーバ上に退避できるため、平日でもメンテナンス作業を行える。こうした仮想化のメリットが運用管理担当者の負担を大幅に低減するはずだ」

 中小企業が抱えている運用管理上の課題として、「古い業務アプリケーションの延命」も挙げる。一般に、物理サーバやOSのサポート切れに伴う業務アプリケーションの移行には多くの手間とコストを要する。しかし仮想化を利用すれば、古いアプリケーション環境を丸ごと仮想サーバに載せ、新しい物理サーバに移動させることでアプリケーションの利用を継続できる。「これらのことは、システム運用管理に割ける人員や予算が限られている中小企業にとって極めてメリットが大きい」。

中小企業向けの新たなライセンス「VMware vSphere Standard Limited エディション」

 「仮想化の導入には多額のコストが掛かるのでは」という疑問に対しても、ヴイエムウェアでは複数の回答を用意してきた。1つは小規模システム用途に特化した安価なライセンス「VMware vSphere Essentials」。これを物理サーバ1台のみの環境に導入する場合、物理サーバを含めて30万円ほどで購入できる。ただし、このライセンスではライブマイグレーション機能「vMotion」が使えないなど機能の制約も多い。

 そこでvMotionが利用できる他、物理サーバ、OSの障害によるダウンタイムを低減する機能「vSphere HA」も使えるライセンス「VMware vSphere Essentials plus」も提供しているが、1wayタワー型サーバを3台の構成を想定しており中小企業にとっては若干オーバースペックともいえた。

 こうした事情を鑑み、ヴイエムウェアは2012年11月、以上2つのライセンスの中間に位置する新たなライセンス「VMware vSphere Standard Limited エディション」を提供開始した。このライセンスは協業パートナーであるNECと連携して日本市場のニーズに応えたものであり、VMware vSphere Essentials plusと同様に、vMotionやvSphere HAといった機能を制限なく利用できるというもの。一方で、中小企業での利用を想定して「1wayサーバ限定」「ノード固定」という制限をあえて設けることで、ソフトウェアライセンス単体で9万2000円(NEC価格)からという大幅なプライスダウンを実現した点がポイントだ。

 桂島氏は「この価格でvMotionやvSphere HAといった高度な機能を利用できるメリットは大きい」と話す。

ALT 図1 ヴイエムウェアが提供する中小企業向けvSphereライセンスの位置付け。新たに提供する「VMware vSphere Standard Limited エディション」は、日本の中小企業のニーズに真正面から応えたものとなる

 「従来、ライブマイグレーションを行うためには、複数の物理サーバを支える共有ストレージが必要だったが、最新のvSphere 5.1では共有ストレージがなくてもライブマイグレーションが行えるため、投資や運用のコストを抑えられる。またvSphere HAを使えば、夜間や休日にシステム障害が発生しても、自動的に仮想サーバを他の物理サーバに退避させて再起動するため、運用の手間を大幅に省ける」

 運用手順が複雑になりがちな仮想環境のバックアップについても、VMware vSphere Standard Limited エディションに含まれている「vSphere Data Protection」というバックアップ機能を使えば、データの重複排除機能により、短時間で効率よく作業を行えるという。

 昨今はヴイエムウェア以外のベンダーからも仮想化ソフトウェアが提供されており、中にはVMware vSphere Standard Limited エディションと同様に「低コストでの導入」をうたったものもある。しかし桂島氏は「コスト面はもちろんだが、導入、運用のしやすさ、安定性という点でも比べてほしい」と強調する。

 「例えば、VMware vSphereは多様なOSをサポートしているため、OSのサポート状況を気にすることなく既存の環境を仮想環境に移行できる。また、他社のハイパーバイザーの中には、OSと一体構造となっているために、OSのセキュリティパッチ適用に伴う再起動によってシステム運用に多大な影響を与えかねない製品もある。その点、ヴイエムウェア製品は仮想化専用ソフト。そうした運用への悪影響が一切ない点も強みといえる」

NECの中小企業向け仮想化ソリューションがさらにリーズナブルに

 VMware vSphere Standard Limited エディションは、日本の中小企業のニーズに最適化した「日本国内限定のライセンス」であり、機能だけではなく、その提供形態も日本の中小企業のシステム調達の慣習に合わせているという。具体的には、ユーザー企業にとっての利便性や安心感に配慮し、中小企業向けソリューションに高い実績を持つ国内の大手サーバベンダーからのみの提供とした。

 中でも国内ではいち早くヴイエムウェアとの協業を手掛け、同社と密接なパートナーシップを築いてきたNECは、VMware vSphere Standard Limited エディションを使ったソリューションでも一歩先を行く存在となっている。NEC プラットフォーム販売本部 シニアエキスパートの土手信三氏は、VMware vSphere Standard Limited エディションを使ったソリューションの意義について次のように述べる。

ALT NEC プラットフォーム販売本部 シニアエキスパートの土手信三氏

 「NECはIAサーバ市場で16年連続トップシェア(※)を誇り、エントリーレベルの1wayサーバ市場で特に大きな支持を獲得している。一方、ヴイエムウェアは1998年から製品を提供してきた仮想化ソフトウェア製品のトップベンダー。こうした両社でタッグを組んで、これまでもさまざまな仮想化ソリューションを提供してきたが、VMware vSphere Standard Limited エディションの登場によって、より多くの企業に仮想化のメリットを提案できるようになった」

※出典:IDC Japan「Japan Server Quarterly Model Analysis」より

 前述のように、VMware vSphere Standard Limited エディションのライセンス価格はサーバ1台での利用なら9万2000円。これに仮想環境の管理ソフトウェア「vCenter Server Foundation」を加えても、ライセンス価格は約24万円。さらに、サーバ2台にVMware vSphere Standard Limited エディションを導入し、これに仮想共有ストレージソフトウェア「StorMagic SvSAN」を組み合わせてvMotionによるライブマイグレーションを実現する構成でも、ソフトウェアライセンス費用は約45万円で収まる(以上、NEC価格)。「これらを2012年11月末から順次リリースを開始しており、従来のラインナップと併せて中小企業のあらゆるニーズに柔軟に応えていく」(土手氏)という。

 これまでも、NECでは先に紹介したVMware vSphere EssentialsとVMware vSphere Essentials plusを使って、中小企業向けの仮想化ソリューションを幅広く展開してきた。「システムの延命」を目的するユーザーには、「仮想化お手軽導入セット」、「システムの運用効率化」を求めるユーザーには、vMotionを実現する「仮想化お手軽vMotionパック」を用意。さらに、「システムの可用性向上」を求めるユーザーのために、NECの統合プラットフォーム管理ソフトウェア「WebSAM SigmaSystemCenter」を、小規模仮想化環境向けに導入しやすい価格設定とした「SSC for 仮想化お手軽vMotion パック」「SSC小規模仮想化運用パック」も提供してきた。

ALT 図2 従来のラインナップに加えて、VMware vSphere Standard Limited エディションの低価格と、多彩な機能を生かした新たなモデルが登場。中小企業にとって、仮想化ソリューションの選択肢がさらに拡大した

 ここに、今回のVMware vSphere Standard Limited エディションによる、“低価格の1wayサーバに対応しながらも、VMware vSphereの豊富な機能を利用できる”リーズナブルなソリューションが新たに加わり、中小企業にとっての選択肢がさらに広がる格好だ。

ALT 図3 中小企業のニーズに合わせてラインナップの幅を拡大した

日本全国の販売店による強力なサポート体制

 またNECでは、中小企業のIT活用は販売店やSIerの導入スキルが成否の鍵を握ることが多い点を見据え、販売店やパートナー企業のスキル向上にも注力しているという。具体的には、販売店向けの技術認定制度を設けている他、全国各地の販売店の技術者に対し、同社の各種製品とヴイエムウェア製品を組み合わせた仮想化ソリューションの構築・運用のトレーニングを実施。ユーザーニーズに合致したシステムを的確に提案できるよう、営業担当者向けのトレーニングも全国の販売店を対象に行っている。

 土手氏は「仮想化の導入に不安を抱いている中小企業にとってはソリューションの機能も大切だが、導入・運用のきめ細かなサポートが何よりも重要なはずだ」とまとめる。

 「仮想化を導入すれば、システム運用の手間とコストを削減できる他、ビジネス展開のスピードアップも期待できる。ただ、システムは日々の業務を支えるものである以上、新しいテクノロジを導入する際には不安がつきまとうものだ。しかし、VMware製品なら実績は豊富であり、お客様満足度も非常に高い。しかもNECの販売店なら安心して導入を任せていただける。今回のVMware vSphere Standard Limited エディションの登場でコスト面でも選択肢が広がった。仮想化の導入がコスト削減や攻めのIT活用の鍵になっている今、ぜひ一度、最寄りのNEC販売店にご相談いただければと思う」



提供:日本電気株式会社/ヴイエムウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTarget編集部/掲載内容有効期限:2013年4月28日