iPhone用アプリとAndroid用アプリがもし一度で開発できるなら業務用モバイルアプリ開発の最新事情

スマートデバイスのビジネス利用が増えてきた中、大きな課題として持ち上がってきたのが業務用モバイルアプリケーションのマルチプラットフォーム対応だ。今、この課題に対応する製品が次々と登場してきている。

2013年03月14日 00時00分 公開
[ITmedia]

 スマートフォンやタブレット端末は、今や一般消費者の間だけでなく、企業におけるビジネス用端末としての普及も進んでいる。しかし、いざ実際にスマートデバイスを業務システムの中に組み込む段になって、予期せぬ課題が持ち上がってくることも多い。特に、業務アプリケーションの開発や運用には、クライアントPC環境にはないさまざまな困難がある。

 課題の1つはマルチプラットフォーム対応だ。スマートデバイスには、OSの種類だけでもAndroidにiOS、Windows Phoneと多様な選択肢があり、さらにこれに端末機種のバリエーションが加わると、アプリケーションが対応しなければならないプラットフォームの種類はかなりの数に及ぶ。また、OSのバージョンアップ間隔や端末のライフサイクルもPCと比べ極めて短いため、自ずとアプリケーションの改修や保守に掛かる手間も増えてしまう。

 そこで現在注目を集めているのが、こうした課題を解決するための「MEAP(Mobile Enterprise Application Platform)」と呼ばれるソリューションだ。その目的は、ビジネス向けモバイルアプリケーションの開発や運用管理の効率を最大限に高めることにある。

 以降では、具体的な製品・ソリューションを幾つか挙げながら、MEAPをはじめとする最新のモバイルアプリケーション開発・運用事情を見ていきたい。

サーバサイドも統合開発できる「Magic xpa Application Platform」

 マジックソフトウェア・ジャパンが提供する「Magic xpa Application Platform」はもともと、クライアント/サーバ型アプリケーションやWebアプリケーションおよびRIA(Rich Internet Application)の開発・実行を可能にする製品として広く知られていた。現在ではAndroid、iOSにも対応しており、モバイル開発の世界においても、MEAPの代表的な製品として知られるようになっている。

 Windows向けのRIAアプリケーションと同じ開発環境と手法で、AndroidとiOS向けのネイティブアプリケーションをワンソースで開発できるクロスプラットフォーム開発機能を提供する他、業務システムに必須の「サーバ側ロジック」の開発を効率的に行える点が特徴だ。コンシューマ向けアプリケーションとは異なり、業務アプリケーションにおいてはトランザクション処理を含むサーバ側ロジックの実装やメンテナンスに多くの工数が割かれる。そのため、この部分の効率性が全体の開発・運用コストに大きく響いてくる。

「Magic xpa Application Platform」の構成 「Magic xpa Application Platform」の構成

 また、Magic xpa Application Platformでは、開発したアプリケーションを自動的にサーバ用とクライアント用に分割(パーティショニング)し、配布・配置する機能が提供されており、変更も自動化されるため、低コストで業務用モバイルアプリケーションを開発、運用できる。Magic xpa Application Platformの詳細は、マジックソフトウェア・ジャパンのホワイトペーパーを参照されたい。

この記事に興味のある方におすすめのホワイトペーパー

ワンソースでiOSとAndroidのネイティブアプリが開発できる/企業向け基幹システム対応アプリケーションプラットフォームのご紹介。

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業務系システム向けモバイルアプリの開発に特化された「DragonRAD」

 「DragonRAD」は、カナダのセレゴン・ソリューションズが開発し、日本国内においてはオリゾンシステムズが提供するソフトウェア製品。業務系システム向けモバイルアプリケーションの開発、テスト、展開、そして運用管理の機能を統合して提供する。

 先にも述べたように、モバイルアプリケーションの開発で問題になるのが、異なるOS・デバイスごとにアプリケーションを個別に開発しなければならない点だ。しかしDragonRADが提供するアプリケーション開発環境では、プラットフォーム間の相違をツールが吸収する。開発ツール上でアプリケーションを一度作成すれば、後は自動的にAndroid、BlackBerry、Windows Mobile、iOS用のネイティブアプリケーションが生成されるのだ。

「DragonRAD」の構成 「DragonRAD」の構成

 また、業務システムでよく用いられるSQL Server、Oracle、MySQLなど代表的なデータベース製品との接続をサポートする他、アプリケーションの運用支援やセキュリティ強化のためのさまざまな機能も備える。開発環境はDragon RAD独自の総合開発環境「DragonRAD Designer」で、ドラッグ&ドロップで素早く効率的に開発を行う。開発言語は、Lua言語を用いる。

関連リンク

  • オリゾンシステムズでは別途、Dragon RADについての詳しい紹介資料をWebサイトで無償公開しているので興味を持たれた方はぜひ参照されたい

jQueryライブラリによるモバイルアプリ開発支援「Ignite UI」

 インフラジスティックス・ジャパンは、米Infragisticsの日本法人として、これまで主にASP.NETやSilverlight向けのユーザーインタフェース(UI)のコンポーネントや開発支援ツールなどを提供してきた。その同社がモバイルアプリケーションのクロスプラットフォーム開発に対応した製品をリリースした。

 製品のコアとなるのは、同社が独自に開発したjQueryライブラリ群だ。モバイル開発の世界では、HTML5とCSS3が、デバイスの枠を超えたアプリケーションの共通基盤となるべく注目を集めているが、その普及や実装にはまだ時間がかかることが予想される。そのためクロスプラットフォームのWebアプリケーション開発を行う場合、現時点ではJavaScript+jQueryによるUI実装を採用することが多い。

 「Ignite UI」によるクロスプラットフォーム開発のイメージ 「Ignite UI」によるクロスプラットフォーム開発のイメージ

 インフラジスティックス・ジャパンでは、モバイルアプリケーションのクロスプラットフォーム開発で利用可能な数多くのjQuery、jQuery UI、jQuery Mobile対応コンポーネントを開発しており、これらを1つに集約した「Ignite UI」という製品を提供している。同社では、この製品の詳しい紹介とともに、コンポーネントを使った開発のメリットや勘所などについて丁寧に解説した資料を無償公開している。現在、JavaScriptでモバイルアプリケーションのUI開発に携わっている方であれば、目を通してみることをお勧めしたい。

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異なるプラットフォーム上で共通して動作するモバイルアプリケーションを、いかに効率よく開発するか。多くのモバイル開発者が頭を悩ませる難題だが、ぜひ一度試してほしいのが、jQueryライブラリを有効活用したWebアプリケーション開発だ。

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提供:マジックソフトウェア・ジャパン株式会社、オリゾンシステムズ株式会社、インフラジスティックス・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTarget編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日