「Windows as a Service」へ大転換のWindows 10がIT部門に突きつける問題IT部門は耐えられるのか?

Microsoftの戦略変更で話題騒然のWindows 10。MicrosoftおよびWindowsにとっての岐路になるとみられているが、Windows 10の登場で本当に変革を求められているのは企業のIT部門かもしれない。

2015年03月06日 08時00分 公開
[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 米Microsoftの「Windows」が岐路に立っている。Microsoftは、「Windows 10」を導入するよう、企業やサードパーティーのアプリ開発者を説き伏せる必要がある。

 Microsoftは2015年1月21日に開催されたNext Chapterイベントで、主力OSの最新バージョンについて、広範囲にわたる新機能と新しい特徴を発表した。コンシューマーや企業IT部門の管理者にとって魅力的なのは、Windows 10のリリースから1年にわたり、Windows 7と8の全ユーザーがWindows 10へ無償アップグレードできることだ。

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 コンシューマーに向けては、Xbox OneのゲームをPC画面へストリーミングする機能、PCに初めて搭載される音声操作アシスタントの「Cortana(コルタナ)」、スマートフォンや小型タブレットへの「Office」統合などを提供していくという。

 Microsoftは「エクスペリエンスのモビリティ」と称し、画像、ビデオ、ドキュメントを複数のデバイスで閲覧できるようにする。さらに「OneDrive」を使えば、あるデバイスでコンテンツを作成/閲覧しながら、別のデバイスでシームレスに操作を続けられる。

 MicrosoftのCEOサトヤ・ナデラ氏は次のように語る。「エクスペリエンスのモビリティを特に重視している。それも、どれか1つのデバイスの中でのモビリティではなく、複数のデバイスにまたがるモビリティだ」

 また、全く新しいホログラフィックユーザーインタフェース「Windows Holographic」も導入され、新しいデバイスの「Microsoft HoloLens」ヘッドセットを使って3Dユーザーインタフェースを作成することもできる。

 Next Chapterイベントにはコンシューマーの参加も多かったが、中心となったのは企業とWindowsパートナーエコシステム関する話題だ。Microsoftは新たなデバイスとして、84インチ4K画面を備えた会議室向けの大画面PC「Surface Hub」を発表した。デモでは独SiemensのCADソフトウェアを使用して、Surface Hubによるリアルタイムコラボレーションが公開された。また「Skype Business」(旧称「Lync」)を使用して、Surface Hubによるビデオ会議のデモも行われた。

 Microsoftは、Windows 10が事実上最後のOSリリースになることを示唆した。数ある変更点の中でも企業に大きな衝撃を与えたのは、Windowsの機能がサービスとして継続的にリリースされるようになることだ。これによって、新しいWindowsのリリースという悩ましいメジャーアップグレードサイクルは終わりを告げることになる。Computer Weeklyの読者はこの変更点に関して「ライセンスの変更がセールスポイントになりそうだ」とコメントを残している。

 だが、MicrosoftはWindowsのリリース方法にも言及している。OSは「Windows as a Service」という考えの下、Windows Updateの一環として継続的に更新されるようになるという。ナデラ氏によれば、「Windows as a Serviceという考え方は意義深い変化だ。Windowsを成功させるという当社の目標と、ユーザーがWindowsを使って成功を収めるという目標が一致するようになっていく。ユーザーは途切れることのないイノベーションの流れを受けて、デバイスの信頼性が高く、安全だと確信できるようになる。開発者にとっては開発対象が広がり、ハードウェアパートナーやシリコンパートナーにとってはハードウェアのイノベーションの原動力になる」という。

大型リリースの終了

 米Forrester Researchでアナリストを務めるフランク・ジレット氏はWindows 10に関するリポートで次のように述べている。

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