CADワークステーションの仮想デスクトップが実用段階にきた幾つかの理由「vGPU」のパフォーマンスを検証できる施設が人気

従来、高いグラフィックス性能を必要とするワークステーションで仮想デスクトップを利用することは、コストと性能の面で限界があった。しかし、幾つかのブレイクスルーによって、これが現実のものとなってきた。

2015年04月15日 10時00分 公開
[ITmedia]

 VDI(仮想デスクトップ基盤)が今、急速な勢いで普及している。以前から、VDIのシンプルな運用性やセキュリティ、モバイルとの高い親和性などは注目を集めてきたが、唯一コストの高さがネックとなり、なかなか導入に踏み切れない企業が多かった。しかしサーバの高性能化が進み、価格性能比が飛躍的に向上したことで、VDIは一気に身近なソリューションになった。加えて、Windows XPのサポート切れを契機にデスクトップ環境を根本的に見直す中で、VDIの導入を検討する企業が多かったことも、VDI普及の追い風となった。

 ただし、こうした流れから完全に取り残されてきた領域もある。それが、高いグラフィックス性能を必要とするワークステーション環境だ。製造業や建設業で利用される3D CAD/CAEアプリケーションや、コンピュータグラフィックスのアプリケーションなどを利用するために、グラフィックボードを搭載したハイグラフィックスなデスクトップ環境は、どうしてもVDIの仮想マシン上での再現が難しかったのだ。

 しかしここへきて、幾つかのブレイクスルーが生まれたおかげで、こうしたデスクトップ環境の仮想化がようやく実現しようとしている。鍵を握るのが、「vGPU」と呼ばれるGPUの仮想化技術だ。この分野のソリューションで先頭を走るソリューションを例に取りながら、vGPUの最新事情について紹介していこう。


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