2016年08月08日 08時00分 UPDATE
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Watsonは常識に欠ける実用段階に入ったIBM「Watson」だが……導入には高過ぎるハードル

営業支援コンサルタントやロボット弁護士、規制調査アプリケーションなど、人工知能「Watson」の導入実績も増えてきた。しかし、Watsonを導入するためには高い高いハードルを乗り越える必用がある。

[Lindsay Clark,Computer Weekly]
Computer Weekly

 2011年、IBMの「Watson」が米国の長寿クイズ番組「Jeopardy!」で2人のクイズチャンピオンに勝利した。同番組は、一般知識のヒントを示して、参加者が疑問文形式で回答する形式を取る。Watsonはこの番組で、自然言語を理解し、文字で書かれた膨大な知識を学習する能力を示して人工知能の大きな進化を明らかにした。

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 以降、IBMはWatsonをビジネス、調査、医療などの分野に投入する準備を進めている。狙いは、よく寄せられる質問に対する回答を短時間かつ低コストで見つけられるようにすることだ。

 28セットのAPIを使うことで、Watsonアプリケーションをビルドしたり自社開発システムへWatson機能を統合したりできる。APIは全てIBMのクラウドプラットフォーム「Bluemix」で提供される。これらのAPIを使用すると、テキストスタイルの分析、文脈上関連する用語リストの作成、会話の書き起こし、自然言語の分類などが容易になる。

 このテクノロジーの応用範囲は広がっている。2016年5月、IBMはWatsonテクノロジーを活用して、ジカウイルスやエボラウイルスなどの致死性ウイルス感染症の防止に役立つ新しい高分子を発見したと発表した。一方、世界中にオフィスを持つ法律事務所Baker & Hostetlerは、Watsonをベースに「ロボット弁護士」を作り上げた。

 だが、人工知能を導入しただけでは使いものにならない。どのようなアプリケーションでも、最初は運用する分野に特有の概念体系(言葉と定義)を学習しなければならない(このプロセスはIBMがサポートする)。その後、開発者がその分野の専門家の力を借りながら、特定分野の知識をWatsonに学習させる。

 Watsonアプリケーションの能力について専門家のお墨付きが得られたら、ユーザーが自然言語でWatsonに自由に質問できるようにする。

 英国を拠点にマーケティング、トレーニング、テクノロジーを扱うVolumeは、Watsonを使用してクライアントのテクノロジー販売を支援するアプリケーションを開発中だ。

 同社のCEOクリス・サイクス氏は次のように話す。「当社は企業向けにオーダーメイドのアプリケーションを開発した。目的は、営業チームの質問に正確に回答する『コグニティブコンサルタント』を作ることだ。このコンサルタントには、自然言語でリアルタイムに質問できるので、営業担当者を初日から戦力にできる」

 「通常の営業プロセスでは、技術者の手助けが必要になるまで営業担当者が1人で対応する。だが、必要なときに技術担当者の都合がつかなければ、営業サイクルが延びることになる。当社のアプリケーションを使えば、営業チームは必要な技術知識をすぐに入手できる。会議前や客先などでシステムに問い合わせることが可能だ。情報は自然で正確な言葉で返ってくる。実質的なメリットは、営業担当者1人当たりの収益増加、営業サイクルの短縮、成約率の上昇だ」

大量の資料

 調査会社Ovumでシニアアナリストを務めるスーリヤ・ムカジー氏は次のように話す。「膨大な文字資料を企業が理解するのを助けるアプリケーションには、Watsonを使用すると効果がある」

 ムカジー氏は、コンサルティング会社のDeloitteを例に挙げた。

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