2017年09月15日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品導入ガイドハイパーコンバージドインフラ調達のためのヒント

「ハイパーコンバージドインフラ」は一般的な用語になった。だがそれは何なのか。自分の組織はそれを必要としているのか。

[Clive Longbottom,Computer Weekly]
Computer Weekly

 ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の概念は、既にある程度色あせている。多くのストレージサプライヤーは、本来なら単に“コンバージド”と形容すべき自社製品を、“ハイパーコンバージド”と銘打っている。さらに悪いことに、ストレージとサーバを手掛けるサプライヤーが、「ストレージとサーバの組み合わせ」と「ストレージとネットワークプラットフォームの組み合わせ」の両方に“ハイパーコンバージド”を使うことも多い。そのために、何を差しているのかを理解しようとして問題が生じることもある。単純化すると、この2つの用語は以下のように説明できる。

Computer Weekly日本語版 9月6日号無料ダウンロード

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

  • コンバージドインフラ

1つの作業に必要なハードウェアとソフトウェアを全て連携させる。ストレージサプライヤーの場合、ストレージとデータの管理がそれに当たる。従って、コンバージドストレージアプライアンスが本体の中にCPUやメモリ、ネットワークポート、ストレージシステムを搭載していることはあっても、例えば「Microsoft Exchange」などをインストールして実行することはできない(そうしたいとも思わないだろう)。

  • ハイパーコンバージドインフラ

複数の作業に必要なハードウェアとソフトウェアを組み合わせる。ワークロードを運用する共有環境は、依然としてデータストレージを利用するが、単純にストレージ環境だけに重点を置くことはしない。従って、ERPやCRM、ビッグデータ分析といった用途に使うアプリケーションやサービスを、ユーザーがインストールして実行できる。

 もう少し複雑な言い方をすると、HCIの多くは、複数のワークロード実行に十分対応できるものの、特定のワークロードにフォーカスしている。特に仮想デスクトップインフラ(VDI)やビッグデータ分析ではその傾向が強い。

ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ

 われわれの暮らす世界は混乱に満ちている。だがそれを分かりやすく解説してみよう。

 HCIは、ハードウェアから始めなければならない。単一の環境におけるサーバ、ストレージ、ネットワークはまとめて調達する必要がある。最初のHCIはメインフレームだったといえるかもしれないが、Intelの世界における初の本格的な製品は、Cisco Systemsが2009年に立ち上げた「Unified Computing System」(UCS)だった。

 これは、「ブリック」を使って工学システムを形成する、それより前のアプローチに基づく。ここでは専用の筐体内でハードウェアを組み立てて、コンピューティングシステムを構築することが可能だった。だが、ほとんどのブリックベースシステムは、依然としてストレージエリアネットワーク(SAN)の利用をベースとしていたため、ストレージコンポーネントをサーバの近くに置くメリットは活用できていなかった。

 多様なハードウェア構成に筐体のアプローチを採用することによって、工学上、複数の強化を施すことができる。例えば、標準的なスケールアウトのアプローチでは、イーサネットを使って各種のサーバやストレージでITプラットフォームを構築するのに対し、HCIはシステム内部でプロプライエタリな接続を利用できる。内部のシステムを高度に標準化する必要がほとんど、あるいは全くないことから、HCIは高度な調整を行って最大限の性能を引き出すことができる。HCIと他のシステムの接続が求められる場合のみ、標準が必要になる。

 CiscoのUCSが有望視されるようになると、他のプロバイダーも「Vblock」「Dell PowerEdge FX2」「HPE Hyper Converged」「IBM PureSystems」といった製品を市場に投入した。こうした第1世代HCIの大部分は、プロプライエタリなファームウェアとソフトウェアを使って、その上で実行する標準化されたOSをサポートしていた。

付加価値

 新規参入組のサプライヤーはソフトウェアに重点を絞り、仮想マシンやコンテナ管理といった先進的な機能を通じて価値を高めたハイパーコンバージドOSや、グローバルデータ重複排除および圧縮といったデータ機能の強化を行っている。そうしたサプライヤーの中には、他のサプライヤーのハードウェアにインストールできるソフトウェアと、自社独自の完成されたハードウェアとソフトウェアの両方を提供しているところもあれば、ソフトウェアのみを提供しているところもある。

 この分野の主な企業はNutanixとSimpliVityだった。SimpliVityはHPEに買収されて以来、かつてのようなプラットフォームにとらわれない業者とは見なされなくなった。Nutanixはこの状況を最大限に利用して、HPEのハードウェアをサポートしたソフトウェアを提供し、HPEにとっては厄介な存在になっている。NutanixはDell、EMC、Lenovoと提携している。

 もう1つのサプライヤーであるPivot3は、独自のソフトウェアスタック「vSTAC」「Acuity」を開発し、高度なポリシーベースのデータ管理を実現して混在するワークロードの最適化を可能にした。Pivot3は、同社のシステムが利用できるハードウェア選定の柔軟性を向上させたと説明している。だがこれにはメリットとデメリットがある。HCIのソフトウェアを既存のハードウェアに適用できれば、新しいハードウェアを導入せずに済むという点で明らかにコストを削減できる。だが、高度な技術を使った相互接続や内部データバスが欠如していることから、結果として出来上がったプラットフォームで性能を引き出すことは難しい。

 その後もアプローチのさらなる変化や各種の買収が行われた。VMwareは「vSAN ReadyNode」でソフトウェアベース性を強めたアプローチを採用し、Dell EMCは「VxRail Appliance」を通じてDellのアプローチとEMCのアプローチを組み合わせた。HPEはSimpliVityの買収を通じて製品の強化を図っている。IBMは実質的にこの市場から撤退して、代わりにクラウドファーストの「IBM Bluemix Infrastructure」(旧SoftLayer)へ移行している。DellはNutanixとも提携し、これはDell EMCの「XC」を通じてDell EMC環境へと引き継がれた。

検討すべき事項

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

この記事を読んだ人にお薦めのホワイトペーパー

Loading

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news077.jpg

電通が学生と企業の共創プロジェクト「βutterfly」を開発、企業向けにスポンサードプランを提供
電通は、顧客企業と学生の協働型プロジェクト「βutterfly」を開始すると発表した。β版...

news040.jpg

「インバウンド」で注目される浅草、訪日外国人観光客で賑わう理由とは?
口コミ時代のWebとソーシャルメディアは最大の武器。最小限の手間で最大の効果を発揮する...

news103.png

オムニバス、「セゾンDMP」を活用したターゲティング広告を提供
クレディセゾンの100%子会社オムニバスは、クレディセゾンが保有するクレジットカードの...