Column
M&Aを成功させる!――CIOがやるべきことは?
インフラもITプロセスも異なる企業同士の合併は、CIOにとっては苦労の種だ。CIOはM&A取引が行われることを知ったら、ただちに統合戦略の策定を開始し、「取引の完了日までに、IT計画に90%の自信を持つ」ことを目指さなければならない。
2005年に世界で発表されたM&A取引は総額2.7兆ドルと記録的な水準に達し、このうち米国で発表された取引は1.3兆ドルを占めた。M&A環境が上向く中、2006年も取引の活況が見込まれる。
おそらく株主には良いニュースだろう。投資銀行には間違いなく素晴らしいニュースだ。だがCIOにとっては、M&Aは苦労の種だと、フォレスターのアナリスト、アレックス・カレン氏は語る。CIOはM&A取引が行われることを知ったら、ただちに統合戦略の策定を開始し、「取引の完了日までに、IT計画に90%の自信を持つ」ことを目指さなければならないと同氏は語る。
ここでは、フォレスターがアドバイスするM&A成功へのポイントの一部を紹介する。
米調査会社フォレスターリサーチは最近発表したリポートで、M&A(合併・買収)に対応したIT戦略の立て方に関するタイムリーなアドバイスをCIOに提供している。なぜタイムリーなのかと言えば、M&Aの波が押し寄せているからだ。
トムソンファイナンシャルとアソシエーションフォーコーポレートグロースによると、2005年に世界で発表されたM&A取引は総額2.7兆ドルと記録的な水準に達し、このうち米国で発表された取引は1.3兆ドルを占めた。M&A環境が上向く中、2006年も取引の活況が見込まれる。
おそらく株主には良いニュースだろう。投資銀行には間違いなく素晴らしいニュースだ。だがCIOにとっては、M&Aは苦労の種だと、フォレスターのアナリストで「Mastering M&A: The CIO's Game Plan(M&Aを成功させる:CIOのゲームプラン)」を執筆したアレックス・カレン氏は語る。CIOはM&A取引が行われることを知ったら、ただちに統合戦略の策定を開始し、「取引の完了日までに、IT計画に90%の自信を持つ」ことを目指さなければならないと同氏は語る。
カレン氏によると、成果を上げるCIOは、取引の完了後は統合を最優先するという。「これは見過ごされがちなポイントだ」と同氏。
フォレスターがアドバイスするM&A成功へのポイントの一部を以下に紹介する。
メリハリのある人事施策を講じる
CIOはIT部門の人事施策を迅速かつ明確に打ち出す必要がある。雇用を維持すべき職やスタッフメンバーを見極め、引き留め策を講じなければならない。統合計画と密接に連動した残留ボーナスプログラムを導入し、マイルストーン(段階的な成果目標)やコスト削減目標の達成時には割り増しボーナスを支給するとよい。
手をつけやすいコスト削減策を速やかに実施する
データセンターを集約し、ユーザー数の増加を材料にソフトウェアライセンスやベンダー契約の再交渉を行う。
経営陣の大局的な判断を支援する
アプリケーションの合理化は極めて重要だ。アプリケーションの余剰はコストに大きく跳ね返るほか、ビジネスプロセスの統合では、1つのアプリケーションセットを使用することが前提になるからだ。だがアプリケーションの合理化は、M&Aに伴う統合プロセスの中で最も時間がかかり複雑な部分だ。合理化を効率的に進めるためには、CIOは、経営陣が「相乗効果を実現する一番の近道は、買収された側のIT要素をできるだけ採用しないことだ」という認識を持てるように手助けする必要がある。
ITプロセスを一方の会社のもので統一する
ITプロセスの一貫性は、IT部門の堅実な業務運営の証しとなるものだ。また、IT部門に対するビジネスサイドの評価における重要な要素でもある。調達やセキュリティ対策などのプロセスは、標準化された安定したものでなければならない。M&Aに伴う統合の過程で2社のプロセスを集約すると、スタッフの混乱を招くことになる。フォレスターは、こうしたプロセスの集約を行わないように勧めている。
(この記事は2006年1月19日に掲載されたものを翻訳しました。)
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