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ITとビジネスの連携を成功させる4つのステップ
ITとビジネスの連携は、IT担当役員にとって依然として最優先課題の1つだ。IT部門を単なるサービスセンターから脱却させ、ビジネスの一翼を担わせるためのアドバイスをCIOに提供する。
企業規模にかかわらず、多くの企業がITとビジネスの連携の問題で苦労していることにはいつも驚かされる。この問題が依然として残っているのは、IT部門がまだ、自社のビジネスに不可欠な役割を果たす組織ではなく、ビジネス部門にサービスを行う組織と思われているためだろう。
IT部門をもっと的確に管理すれば、IT業務とビジネスとの連携を高めることができる。以下では、ITとビジネスの効果的な連携を実現するためにCIOが実施できる4つのステップを紹介する。
企業規模にかかわらず、多くの企業がITとビジネスの連携の問題で苦労していることにはいつも驚かされる。この問題が依然として残っているのは、IT部門がまだ、自社のビジネスに不可欠な役割を果たす組織ではなく、ビジネス部門にサービスを行う組織と思われているためだろう。
IT部門をもっと的確に管理すれば、IT業務とビジネスとの連携を高めることができる。以下では、ITとビジネスの効果的な連携を実現するためにCIOが実施できる4つのステップを紹介する。
1.自社の最終顧客に貢献することに主眼を置く
IT部門が犯す最大の過ちの1つは、自らの会社を顧客と考えることだ。これは多くの企業、とりわけ大企業に見られる発想だ。だがこうした考え方の下では、IT部門は内向きな姿勢に陥ってしまい、会社の外になかなか目を向けない。また、会社全体として、社内取引の採算が重視されることにもなる。わたしはITマネジャーとビジネス部門のマネジャーが、まるで戦争中の2国間のように厳しい交渉を行うせいで、延々と続く会議に出たことがある。
IT部門の本当の顧客は、会社の顧客をおいてほかにない。IT部門は、自社のビジネスプロセスとシステムが社外の顧客にどのように影響し、貢献するかにフォーカスする必要がある。消費者に直接販売している会社の場合は、その会社の製品やサービスを顧客がどのように使っているかは比較的把握しやすい。消費者と直接コミュニケーションを取ることで、商品に関する彼らの体験を、技術によってどのように向上させられるかを見いだすことができる。
だが、あなたの会社が製品やサービスをほかの会社に販売しており、それらが販売先の商品に組み込まれる場合には、IT業務の改善が顧客企業にとってどのようにプラスになるかは分かりにくい。顧客企業が最終顧客のためにどうやって価値を創造しているかを理解することが必要だ。このようにして、ITが自社の顧客にどのように貢献するかを踏まえた上で、社内サービス組織というこれまでのIT部門の位置づけを、最終顧客のために価値を創造するという、自社のビジネスに不可欠な役割を担う組織へと、根本的に改めなければならない。
2.ビジネスニーズに即したサービスレベルを設定する
ほとんどのIT部門はエラー率、ダウンタイム、サービス応答時間など、一連のサービスレベルを管理している。だが、ビジネスのパフォーマンスを大きく左右する指標、例えば商品/サービスのエラー率、発注から入金までの期間、注文処理時間、顧客ヘルプデスクの応答時間などや、単純だが重要な、成長率および利益率という指標を重視しているIT部門は、ほとんどない。今日の企業は資金管理を徹底しているため、ITマネジャーは、会社の状況や方針に応じて支出を抑えたり増やしたりしなければならない。会社の財務の実態をありのままに認識すれば(実態が良い場合でも悪い場合でも)、ITとビジネスの真の連携を実現するために必要なビジネス背景を押さえることができる。
次に、ITによって改善できる幾つかのビジネス指標を特定する必要がある。例えば、最終顧客の抱える問題がサービスデスクへの最初の電話で解決される割合や、自社商品の総出荷コストの減少率といったものだ。IT部門が最終顧客の課題の解決に貢献するようになれば、ITとビジネスの連携の問題はおのずと解消する。
3.一枚岩の体制で業務を行う
IT業務の全体または一部をアウトソーシングしている場合には、IT部門と業務委託先のITサービスプロバイダーが、一枚岩の体制で業務を行うことが重要だ。さもないと、IT部門はサービスプロバイダー、自社、自社の顧客という3者を相手に管理に当たることになる。これでは満足させるべき相手が多過ぎるうえ、ビジネスパートナーは問題解決の相談をどこにすればよいか分からない。また、IT業務でトラブルが発生した場合には、IT部門はビジネス部門から常に責任を問われる。IT部門とサービスプロバイダーのどちらに非があったとしてもだ。
これらのことから、サービスプロバイダーに対して完全な透明性を確保するとともに、サービスプロバイダーにも、IT部門に対してそうすることを要求する必要がある。こうして、一体化した業務運営を通じてビジネス部門に対応すべきだ。IT業務を行う側がまとまっていなければ、ITとビジネスの連携は到底おぼつかない。
4.共同でトラブル分析と対策検討を行う
ITとビジネスの連携を確実なものにする1つの方法は、業務でのトラブルが多かったりサービスレベルが低い業務項目を分析し、対策を検討する会議を定期的に開くことだ。透明性と一体性の観点から、ITサービスプロバイダーもその場に出席するようにする必要がある。そうすれば両者ともに、ビジネスにとって何が本当に重要なのかを即座に理解するだろう。
そして最後にもう1つ、時にはオフィスを出て、会社の顧客を訪ねることが大切だ。販売の現場に足を運べば、顧客が直面している問題を理解できる。技術が彼らの競争力にどのように貢献できるか、尋ねてみるといい。IT部門が単なるサービス組織にとどまることなく、ビジネスの一翼を担う必要がある理由がすぐに分かるだろう。
本稿筆者のジェームズ・チャンピー氏は、ペロー・システムズのコンサルティング部門会長兼同社戦略責任者。また、ベストセラーの『Reengineering the Corporation』(邦訳:リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新/日本経済新聞社)、『Reengineering Management』(邦訳:限界なき企業革新―経営リエンジニアリングの衝撃/ダイヤモンド社)、『The Arc of Ambition』、『X-Engineering the Corporation』の著者でもある。
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