2011年夏以降にリリース予定の企業向けエンドポイントセキュリティ製品に関する説明会を開催。ファイルスキャン時間を短縮する技術を解説した。
シマンテックは4月22日、企業向けエンドポイントセキュリティ製品の最新版「Symantec Endpoint Protection 12」(SEP 12)に関する技術説明会を開催。ファイルのフルスキャンを行うデモンストレーションを交えながら、2011年夏以降にリリース予定の同製品と現行製品(SEP 11)のパフォーマンスの違いを解説した。
SEPは、PCなどのエンドポイント環境をウイルス/スパイウェアなどから保護する統合セキュリティ製品だ。SEP 12は、「Insight」と呼ぶレピュテーション技術の搭載で、脆弱性を狙うマルウェアの検知・防止機能を強化。同社が挙げるSEP 12の特徴3点(セキュリティ向上、パフォーマンス強化、仮想環境の保護)のうちの1つがInsightによる高いセキュリティ能力としている。
同日の説明会では、SEP 12の特徴の2点目である「Insight搭載によるパフォーマンスの向上」を紹介した。SEP 12では、Insightの搭載でセキュリティ機能を強化しただけでなく、Insightのスキャンの仕組みにより、ファイルスキャン時間を短縮し、タスク実行時の負荷も軽減するという。
Insightは、同社および同社のユーザーから得た情報から、信頼できるファイルを解析。ホワイトリストとしてファイルのハッシュ値を同社のデータベースに格納する。SEP 12は、データベース情報と一致するファイルをスキャン対象から外してスキャンするため、余計なファイルをスキャンする時間を省略できる仕組みだ。一度データベースに格納されたファイルでも、更新されれば再度解析(スキャン)対象となり、スキャン対象の取りこぼしもない。
同一スペック(OS:Windows 7 Enterprise、CPU:Intel Core i5 2.53GHz)のPCで、SEP 11とSEP 12によるフルスキャンをそれぞれ実行したところ、SEP 11はスキャン時間が19分だったのに対し、SEP 12はスキャンが5分で終了した(Insightが無効の場合は約17分)。
Insightを使ったスキャンは、設定画面でON/OFFも可能。ホワイトリストの範囲も同社の解析のみと、ユーザー企業からの情報を含む場合との2パターンから選択できる。
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