エンドポイントセキュリティ製品の新版に搭載するマルウェア検知技術「Insight」についてシマンテック担当者が解説した。
シマンテックは3月23日、2011年夏以降にリリース予定の企業向けエンドポイントセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection 12」(SEP 12)に関する技術説明会を開催した。SEP 12自体のリリースは2月18日に発表済みで、今回の会見ではバージョン12でSEPに初搭載されたレピュテーション技術「Insight」に関する説明が行われた。
Symantec Endpoint Protectionは、PCなどのエンドポイント向けにウイルス/スパイウェア対策、クライアントファイアウォールなどのセキュリティ機能を提供する統合型セキュリティ製品。脆弱性を狙うマルウェアを検知・防止する機能として、振る舞い検知や侵入防御(IPS)などの技術を標準搭載している。Insightの搭載で、新種のマルウェアへの対応を強化した。
Insightを使うことで、ユーザーはインターネットからダウンロードしたファイルの安全性を自身で判断できるようになる。具体的には、エンドポイントに何らかのファイルをダウンロードすると、そのファイルが世の中に配布されてからの期間や利用者数、デジタル署名の有無などの情報がクライアントPCにポップアップ表示される。Insightでは、エンドポイントでファイルがダウンロードされると、ファイルの「ハッシュ」「ソース」「署名者」「名称(ファイル名)」「パス」情報を取得、同社のサーバに集約する。その情報を基にファイルの信頼性を分析し、結果をポップアップ表示している。ポップアップの判断基準は企業のセキュリティポリシーに応じて変更できるため、「そもそもポップアップでユーザーに判断させずに、ある規定以上の危険が判断されたファイルはシャットダウンする」という運用もできる。
リージョナルプロダクトマーケティングマネージャーの広瀬 努氏はSEP 12の特徴の1つがInsightの搭載と説明。その上で、近年各セキュリティベンダーが提唱する「クラウドベースのセキュリティ」「レピュテーションベースのセキュリティ」と、Insightの違いとして「インターネット経由の情報分析(評判:レピュテーション)で未知の脅威を安全にあぶり出すことでエンドポイントを保護する」ことを挙げた。また、Insightは「誤検知が少なく、定期スキャンの時間は従来比で大幅に縮小する」と紹介し、インターネット経由で定義ファイルを早期(リアルタイム)に更新可能とする他社製品とはアプローチが異なるとした。
Insight自体は、同社が4年前から構想を続けてきた技術である。新種のマルウェアを検知・防止可能とする機能として、個人向けウイルス対策製品「ノートン」では2008年に発売されたバージョンからInsightを組み込んでいる。広瀬氏はInsight開発の経緯として、近年、マルウェア数が爆発的に増加し続けていることや、マルウェア作成ツールの普及でオンライン犯罪が組織化・悪質化したことを紹介した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ダウンタイムが許されない基幹系システムやデータベースをクラウドに展開している場合、システムの障害対策をベンダー任せにすることは危険だ。本資料では、その理由を解説するとともに、クラウドの障害対策を実施する方法を紹介する。
エンドポイントがサイバー攻撃の対象となるケースも増えている今、企業にはどのような対策が必要なのか。2024年に実施された調査の結果を基に、3つの重大なリスク要因と、その解決策としてサイバーレジリエンスが重要な理由を解説する。
マルチクラウド化が進み、アプリケーションとインフラを効率的に保護する手法が求められる昨今。そこで注目したいのが、WAAP(Web Application and API Protection)とCNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)の活用だ。
標的型攻撃は主にメールで行われ、企業側が気を付けていても防ぎきれないケースがある。そのため、対策には検知・防御だけでなく、“攻撃を受けても情報が漏れない”仕組み作りが重要であり、各従業員のITリテラシー向上が不可欠だ。
巧妙化を続けるサイバー攻撃から企業の資産を保護するには、従業員のセキュリティリテラシーを高める教育が不可欠だ。教育を実施するに当たって重要となるポイントを「ToDo」リストとしてまとめた。
数分でデータを人質に 進化するランサムウェアに有効な「第2世代EDR」とは (2025/3/4)
クラウドサービスの脆弱性をどう解消する? 安全な開発環境を構築するヒント (2025/3/4)
「複雑、高額、難しい」を変える中堅・中小向けSASEのメリットを解説 (2025/2/10)
「Box」に移行してもなくならない「お守り仕事」を根本から効率化するには? (2025/1/23)
これからのセキュリティ対策に必要な「防御側の優位性」、AIはどう実現する? (2025/1/22)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。