2012年は“Open PaaS元年”として、Open PaaSを採用したクラウドサービスの登場が予想される。なぜ今Open PaaSが注目されるのか、そもそもOpen PaaSとは何か、Open PaaSの仕組み、最新動向を解説する。
国内クラウドサービス市場は本格的な成長期を迎えている。調査会社のIDC Japanが2011年11月9日に発表した「国内クラウドサービス市場予測」によると、2010〜2015年の年間平均成長率は41.2%、2015年の市場規模は2010年比5.6倍の2550億円と予測している。
IaaS(Infrastructure as a Service)およびPaaS(Platform as a Service)は、消費者向けインターネットサービスの基盤、特定アプリケーションのカスタマイズ開発・実行、新規Webアプリケーションの開発・実行環境として高い成長を遂げている。特に2012年は前年比の成長率が約50%と2010〜2015年予測の中で最も高く、中でもPaaS市場は急速な拡大が見込まれている。
ここ数年、各事業者からIaaSが提供され、価格競争による低価格化とコモディティ化が急速に進んでいる。IaaSレイヤーにおいては、Amazon Web ServicesのAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)の他、OpenStack、CloudSackといったオープンソースのクラウド基盤ソフトウェアを採用する事業者が増え、仮想マシンは汎用的なITインフラストラクチャとなりつつある。
そのため、IaaSレイヤーでのサービスの差別化が困難な状況になりつつあり、今後のクラウドサービスの主戦場はPaaSレイヤーに一部シフトしていくと予想される。PaaSはIaaSと比べて、サーバ、ネットワーク、セキュリティの知識が不要で、構築や管理が容易で、SaaSよりもアプリケーションの自由度の高いことが特徴である(関連記事:今さら聞けない! 各種クラウドサービスの違い)。
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