ビッグデータに潜む関連性やパターンを視覚的に把握したい――。こうしたニーズに応える製品「SAS Visual Analytics」の新版が登場した。予測分析機能の追加が目玉だ。
SAS Institute Japanは2013年2月19日、データを分析して視覚的に表示するビジネスインテリジェンス(BI)製品の最新版「SAS Visual Analytics 6.1」を発表した。従来版と比べてデータ分析の手法を充実させたのに加え、シングルサーバ構成で稼働可能にした。大量データの中から関係性やパターンを探りたいと考える幅広いユーザー企業に訴求する。
統計解析に基づく予測分析機能を追加した(画面)。従来の相関分析に加え、時系列予測や重回帰分析といった予測分析に役立つ統計解析機能を追加。例えば、時系列予測を利用すると、過去の利益実績から将来の利益を予測してグラフに表示する、といったことができる。予測分析に必要な予測モデルは、データから自動的に選択する。
導入のハードルを下げるため、シングル構成のIAサーバでの稼働を可能にした。従来は、「EMC Greenplum」「Teradata」といったデータウェアハウス(DWH)アプライアンスか、複数台のブレードサーバでの稼働が必須だった。
2012年7月に国内販売を開始したSAS Visual Analyticsは、インメモリアーキテクチャを採用し、大量データを高速処理できるのがウリだ。その他、視覚的な分かりやすさを配慮したリポーティング機能、iPadやAndroidタブレット向けのモバイルアプリケーションを用意する。解析可能なデータフォーマットには制限がなく、テキストやセンサーデータも分析できる。
同社代表取締役社長の吉田仁志氏が、「社運をかけた製品」だと言い切るSAS Visual Analytics。今後も半年ごとにバージョンアップを実施し、「2012年は2桁だった累計ユーザー企業数を2013年に数百にする」(ビジネス開発本部長の須部 恒氏)という。
SAS Visual Analyticsは、ソフトウェアとして提供する他、NECや富士通、日本ヒューレット・パッカードなどが自社サーバと組み合わせて販売する。SAS Visual Analyticsの価格は、ソフトウェアのみの最小構成で850万円。サーバや構築サービスと組み合わせて導入する場合、1000万円程度から。
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