ストレージ仮想化の活用パターンが分かる3つのホワイトペーパーホワイトペーパーレビュー

大量データをより効率的に蓄積・管理できるとして、ストレージ仮想化が注目を集めている。その活用パターンを学べる3つのホワイトペーパーを紹介する。

2013年05月10日 08時00分 公開
[内野宏信,TechTargetジャパン]

 企業を取り巻くデータ量は日々増大している。これに伴い、バックアップ/リストア時間も増加するなど、ストレージ運用管理が多くの企業にとって課題となっている。特に管理者を悩ませているのは運用管理負荷が高まっていながら、ストレージの導入・運用コストは厳しく制限されている点だ。こうした中、データを効率的に蓄積・管理する方法としてストレージ仮想化が注目されている。本稿ではストレージ仮想化のメリットや活用パターンが分かる3つのホワイトペーパーを紹介する。

ストレージ仮想化の基本的なメリットをイラストで解説

ALT 提供:日立製作所(4~5ページ)

 本ホワイトペーパーではストレージを取り巻く課題を「データ増大にどう対応するか」「BCP(事業継続計画)バックアップをどうするか」「運用の負担やコストをどう低減するか」という大きく3つのテーマに整理。各テーマにおいて、ありがちな課題を複数挙げ、その解決策をイラストを使ってシンプルに解説している。

 例えば「データ増大にどう対応するか」では、ストレージを導入する際、余裕を持ってディスク容量を確保すると、その後リソースの無駄が生じてしまいやすいという問題をピックアップ。これに対して「初期投資を抑えつつ柔軟に容量を増設する方法」として、日立ストレージ製品が実装するストレージ仮想化機能を紹介。「物理容量以上の容量を仮想的にサーバに割り当てるボリューム容量仮想化機能によって、初期導入時に想定する最大容量を設定しながら、物理的にはその時点で必要なディスク容量を準備するだけで済み、初期投資を低減できる」と、そのメリットを分かりやすく解説している。

 この他にも「高性能ディスクと大容量低価格ディスクを効率よく使いたい」「データ移行に伴う業務停止を最小限にとどめたい」など、多くの企業にありがちな課題を紹介。ストレージ仮想化がそれらをどのように解決できるのか、専門用語を極力使わずに説いている。この点で、ストレージ管理者はもちろん、サーバやネットワークの管理者、業務部門の読者にとっても無理なくストレージ仮想化のメリットを理解できるのではないだろうか。

サーバ仮想化環境におけるストレージ仮想化のメリット

ALT 提供:日本IBM(1ページ)

 本ホワイトペーパーは、多くの企業にとって当たり前のものとなったサーバ仮想化にフォーカス。ストレージ関連の課題に絞って「仮想環境にありがちな『困った!』ケース」を5つピックアップし、ストレージ仮想化がどのように役立つのか、さまざまな角度から説いている。

 例えば「サーバを仮想化すると、データへのランダムなアクセスが増えることによりI/O負荷が増大し、システムによってはレスポンスの悪化をもたらす」可能性がある。この解決策として、複数のストレージ階層を仮想化することで、その間でデータを自動的に移動させられる「ストレージ階層化」を紹介。「アクセス頻度が高いデータはSSDに、そうでないデータはHDDなどに自動的に配置して、データの重要度に応じてパフォーマンスを自動的に最適化する」など、仮想環境におけるストレージ仮想化のメリットを分かりやすく解説している。

 その他、複数のストレージ装置を連携させて論理的な1つのシステムとして運用できるため、状況に応じて容量と性能を柔軟に向上させられることなども紹介。仮想環境の運用管理とひも付けながら、ストレージ仮想化の複数のメリットを包括的に学べるのではないだろうか。

シンプロビジョニング機能を持つ各社ストレージ製品を徹底比較

ALT 提供:日本HP(22ページ)

 ボリューム容量を仮想化することで実際に必要なディスク容量を減らせる「シンプロビジョニング」機能を搭載したストレージを、現在、複数のベンダーが提供している。「ストレージのスペース使用率の最適化」というメリットを提供する点は各製品とも同様だが、その実装方法はベンダーによって異なっている。

 その点を踏まえ、米Hewlett-Packardは自社製品「HP 3PAR StoreServ」と、米EMC、米NetApp、日立製作所、米IBM、米Dellといった競合製品との違いを比較。本ホワイトペーパーではその結果を基に、「シンプロビジョニングしたストレージを最小限のオーバーヘッドで運用開始する」「データをスリム化する」「データを最適な効率で確実に維持する」という3つの観点において、HP 3PAR StoreServが各社の製品とどう違うのかを具体的にまとめている。

 また比較検証結果と併せて、ストレージ仮想化の基本的なメリットや、「物理スペースが使い尽くされて書き込み障害が起こると、ホストOSによって適正に処理されず、システムクラッシュに結び付く場合があるため、物理スペースと論理スペースの注意深い管理が必要」など、ストレージ仮想化を利用する際の注意点も紹介。製品選定担当者やストレージ管理者に向けた専門的な内容だが、ストレージ仮想化の知識を体系的に整理する上で役立つのではないだろうか。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、ストレージ仮想化に関する技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 arcserve Japan合同会社

データの保全・保護・復旧を全方位でカバーするバックアップ戦略とは?

データ活用が企業の命運を握る今日にあって、絶対に避けなければならないのがデータの損失だ。本資料では、ビジネスクリティカルな状況下でデータの保全・保護・復旧を可能にするバックアップソリューションを紹介する。

製品資料 arcserve Japan合同会社

自社に必要な機能だけを選び、最適かつ効率的なバックアップ環境を構築する方法

データのバックアップに求める機能は、企業によってさまざまだ。必要な機能だけを選択して導入することで、無駄なく効率的なデータ保護が可能になる。そこで注目されているのが欲しい機能だけを搭載できるバックアップ/リカバリー製品だ。

製品資料 arcserve Japan合同会社

運用を大幅に軽減し、多様なニーズに対応するバックアップ対策とは?

データバックアップは、安定した経営を維持し、災害やサイバー攻撃のリスクから業務を守るために不可欠である。とはいえ、自社に最適なバックアップ手法の確立は簡単なことではない。豊富な機能を備えているソリューションに注目したい。

製品資料 arcserve Japan合同会社

バックアップ製品はどう選ぶ? 3つのポイントから必要な機能を解説

企業の事業継続に影響を与える緊急事態として自然災害やサイバー攻撃が挙げられる。その対策として重要なのが、データのバックアップだ。それでは、バックアップ製品はどのように選べばよいのか。重要なポイントを解説する。

技術文書・技術解説 TIS株式会社

APIはじめてガイド:開発から管理までを効率化するためのポイントとは?

次なるビジネスの中核を担う可能性を秘めているAPI。APIを本格利用する組織にとっては、効率的な開発・公開・運用・管理方法を確立することが重要課題となっている。本資料では、効率化に向けて知っておくべきポイントを解説する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/04/25 UPDATE

ストレージ仮想化の活用パターンが分かる3つのホワイトペーパー:ホワイトペーパーレビュー - TechTargetジャパン システム運用管理 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...