市場にはさまざまなタブレットがあるが、真に企業目線で作られたものは意外と少ない。こうした中、企業利用を第一に考えて開発されたタブレットが登場した。その真価を探る。
タブレットを本格的にビジネスで活用する企業が増えつつある。一方で、タブレットのビジネス活用には、情報漏えいや盗難・紛失などのセキュリティリスク、個人所有の端末を業務で利用する「BYOD(Bring Your Own Device)」への対処が大きな課題となる。会社が支給する端末と個人が所有する端末を含めて、安全かつ効率的にタブレットを運用・管理していくことが、企業のIT管理者に求められている。
こうした中、優れた運用・管理性を備え、ビジネス活用に適したタブレットとして注目すべきなのがWindows搭載タブレットだ。Windowsをベースにした基幹業務システムとの親和性が高いことに加え、Windows用ビジネスアプリケーションや管理ツールなどの既存資産も生かすことができる。安全性を確保しながら、タブレットのスムーズな導入や運用管理が可能となるのだ。
特に、2013年10月18日にリリースされた最新版の「Windows 8.1」は、タブレットのビジネス活用をサポートする機能が「Windows 8」から大幅に強化され、企業に必要な運用・管理性およびセキュリティのさらなる向上を図っている。
Windows 8.1の機能強化点として、まず挙げられるのが、ストアアプリの開発環境の拡張だ。「フロントのアプリだけでなく、バックエンドのサービスにも対応するなど、企業独自のストアアプリが開発しやすい環境を実現している」と、日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター エバンジェリストの鈴木敦史氏は説明する。これにより、画面解像度の制限など、Windows 8にあったストアアプリ開発の課題が払拭された。
合わせて、周辺機器やネットワークとの接続性も強化した。周辺機器では、ストアアプリで利用できるWindows用周辺機器の種類を拡大。無線ディスプレー画像転送技術「Miracast」を使ったディスプレー、アクセスポイントを介さずに無線LAN機器同士が通信できる「Wi-Fi Direct」を利用した印刷などを可能にした。ネットワークでは、サードパーティー製VPNゲートウェイを利用可能にしたのに加え、VPN自動実行によるワンクリック操作でのサインインやテザリング機能も新たに追加した。
またWindows 8.1では、BYODを促進する運用・管理機能が強化されている点も見逃せない。具体的には、ドメインに参加していない端末をActive Directoryで管理可能にする「ワークプレース」、端末内に企業が管理可能な業務専用領域を確保する「ワークフォルダ」といった機能を備えた。
さらに、オープンなモバイルデバイス管理(MDM)プロトコルである「OMA-DM(Open Mobile Alliance Device Management)」を実装。OMA-DM準拠のMDM製品を使えば、エージェントを追加することなく、端末を管理できるようになった。
この他、タブレットをキオスク端末などで利用する際に起動可能なストアアプリを1つに限定できる「アサインドアクセス」、NFC対応機器との双方向でのデータ通信機能、Bluetoothの低消費電力版「Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)」のサポートなど、タブレットの企業用途を広げるさまざまな機能強化が施されている。
マイクロソフトテクノロジーセンターでは2014年1月から、タブレットを検討中のユーザー企業向けに「マイクロソフト ソリューション エクスペリエンス:デバイス&サービス(コース名: MSE-Device)」というハンズオン形式のセッションを開始します。本稿で紹介する「Dell Venue 11 Pro」や「Dell Venue 8 Pro」などの最新のデバイスに触れながら、Windows 8.1の新機能と業務アプリの利用イメージを体感できます。セッションに参加されたい方は、ぜひ日本マイクロソフトの担当営業にコンタクトしてみてください。
このように、さまざまな企業向け機能を備えたWindows 8.1。その登場を受けて、ハードウェアベンダー各社は各社各様のWindows 8.1タブレットの市場投入を始めた。こうしたWindows 8.1タブレットの中でも、上述したWindows 8.1の企業向け機能の効果を最大限引き出す製品を展開しているのがデルだ。同社は2013年11月19日、10.8インチタブレット「Dell Venue 11 Pro」を発売。さらに2013年12月30日には、8インチタブレット「Dell Venue 8 Pro」の販売を開始する。
「Windows 8.1の開発段階から、MicrosoftのOEM部門と密に連携し、Windows 8.1で強化された機能を最大限に引き出せるタブレットの開発を進めてきた」と語るのは、デル クライアント製品&ソリューションマーケティング本部 マーケティングマネージャーの金 泰英氏だ。
“究極の3-in-1タイプ”をコンセプトにしたというDell Venue 11 Proは、デスクトップ端末並みのパフォーマンスを備えつつ、タブレットの携帯性やUltrabookとしての利便性を兼ね備えるのが特長である。
CPUは、クアッドコアの「Intel Atom」または「第4世代インテルCore i3/i5プロセッサー」から、利用シーンに合わせて選択できる。さらに有償オプションで、「インテルvProテクノロジー」準拠のハードウェア構成にすることも可能。高い管理性が求められる企業用途でも安心して活用できる。バッテリーの着脱や交換が可能なこともメリットだ。
一方、8インチのDell Venue 8 Proは、独自の薄型軽量設計によって、厚さ9.0ミリ、幅216ミリ、奥行き130ミリという手のひらサイズを実現した。
「Microsoft Office」を標準搭載しながら、価格は4万円前後というコストパフォーマンスも、Dell Venue 8 Proの大きな魅力の1つだ。ドキュメントの作成や確認作業まで、あらゆる場所でさまざまな業務用途に活用できる。
Dell Venueシリーズで見逃せないのは、周辺機器のエコシステムの充実だ。共通のアクセサリ製品として、高精細な書き込み操作を可能にする「アクティブスタイラスペン」を用意する。またDell Venue 11 Proは、モバイルバッテリーの有無に応じて2種類のフルサイズキーボードをラインアップ。このキーボードとタブレットドッキングステーションとの連携で、ノートPCと同等の使い勝手を実現できる。
保守サービスも充実させた。Dell Venue 11 Proには翌営業日対応の保守サービス、Dell Venue 8 Proには引き取り修理サービスを初年度無料で提供する他、落下や水漏れ、過電流、盗難といった不慮の事故に備えた「アクシデンタル・ダメージ・サービス」などを用意し、サポートサービスの面からもタブレットの業務利用をバックアップしている。
デルは、今後も日本マイクロソフトと連携しながら、Windows 8.1タブレットのさらなるビジネス活用拡大に力を注いでいく。
タブレットは導入しただけでは意味がない。ビジネスの場で有効活用できることこそ、企業が選ぶべきタブレットの絶対条件だ。業務アプリが問題なく使え、安全性や拡張性も高く、用途に応じた選択肢が充実――。本当の意味で「仕事で使えるタブレット」の姿を示そう。
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