将来性のないBlackBerryからの移行先として、社内システムとの親和性が高いWindows Phoneが脚光を浴びている。iPhoneとAndroid端末の2強状態の中で、Windows Phoneが一定のシェアを獲得するのか?
カナダのBlackBerryが、スマートフォン市場での巻き返しを図る試みとして、BlackBerry 10 OSとスマートフォンのフラッグシップ2機種、Z10およびQWERTY Q10(従来スタイルであるキーボード付きモデル)を市場に投入してから1年がたった。
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これらの端末はBlackBerry 10 OSベースで動作は安定しており、企業ユーザーにはセキュリティ製品であるBlackBerry Enterprise Server 10も興味深い。それでも市場はおおむね、2機種とも発売時期が遅い割に機能も乏しく、コンシューマーにとっても企業ユーザーにとっても今一つ魅力に欠けるという見方で一致している。
BlackBerryの最新の業績を見ると、営業損失が44億ドル、売り上げが前年比56%減と、財政的な危機にひんしていることが分かる。
スマートフォン市場ではBlackBerryがほぼ脱落し、勝ち残ったのは米AppleのiPhoneと米GoogleのAndroidのようだ。一方Computer Weeklyは、BlackBerryの契約が満了したタイミングでWindows Phoneに切り替える計画を立てているCIOが増えていると聞き、そんなCIOの何人かに話を聞いた。
イギリスの国立博物館を横断する組織の1つ、Science Museum GroupでICT(情報通信技術)部門の責任者を務めるジュリアン・ペイン氏は、所属部署で近日中にWindows Phoneの利用を開始する計画を立てている。ペイン氏によると、Windows Phoneは彼の部署のデスクトップ戦略によりよく適応している。
「私の部署で使っていたBlackBerry端末の利用契約が終了すると分かって、あらゆる選択肢を検討した。その結果、費用対効果が最も高いのはWindows Phoneだった」とペイン氏は語る。
イギリスのイベント企画会社NEC GroupでIT部門の責任者を務めるアンドリュー・マクマナス氏は、2014年春にBlackBerryからWindows Phoneに切り替える予定だという。マクマナス氏が勤務するNECはBlackBerry端末を250台所有していたが、同氏はこれをフィンランドのNokia製スマートフォン、Lumia 625とLumia 925でリプレースしたいと考えている。
「今はWindowsベースのデバイスがより魅力的だ」と同氏は語る。「バックエンドのMicrosoft製品ベースのシステムにシームレスに接続できる。タブレットの画面のデザインは極めてiPadに似ている上に、Exchangeや従来の社内システム、すなわちERPにもアクセスできる。おまけに、現在人気があるタブレットのさまざまな機能も使える」と同氏は付け加える。
「価格面から考えてもやはり魅力的だ。だとすれば、その選択肢を選ばない手はない」(同氏)
NECは通信事業者英Vodafoneとの契約が終了したタイミングで、別の通信事業者英EEとの契約に切り替えた。以前、BlackBerryのアップグレードに対応するためにNEC社内のサーバまでアップグレードせざるを得なかった経験があるので、それに比べればWindows Phoneへの移行ははるかに安上がりで済むとマクマナス氏は話す。
また同氏は、これまでNEC社内で使用していたiPadをWindows 8ベースのタブレットでリプレースする計画もあると教えてくれた。
「Windowsで実現したかったのは、社内システムのユーザー全員がリアルタイムでデータにアクセスできるようにすることだ。そうすれば、イベントマネジャーは担当しているショウの状況を常にもれなく把握できる。データへのアクセスなら、iOSでもある程度はできる。ただし、SQL Serverに収められているデータを利用する部分で急にハードルが高くなる」とマクマナス氏は語る。
「最終的には社内で使うタブレットは全てWindowsに切り替えることになるだろう」(同氏)
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