ファイルを暗号化して身代金を要求するランサムウェア攻撃。この脅威からPCを守る方法と、感染してしまった場合の対処法を紹介する。
ランサムウェア「Cryptolocker」が表面化し、米CERT Coordination Centerが感染防止方法や感染時の対処方法に関する指針を発表したのは2013年末のことだ。それ以降も、ランサムウェアは猛威を振るい続けている。
Cryptolockerは数あるランサムウェアの1つにすぎない。後に「CryptoWall」や「CryptoDefense」といったランサムウェアが出現し、企業や消費者を悩ませている。
ランサムウェアは、解除不能な鍵を用いてHDD内のファイルを暗号化する。攻撃者は、身代金(ランサム)が支払われるまでその暗号を解除しない。通常、身代金にはビットコインなどのオンライン通貨が利用される。
米FireEyeのシステムエンジニア、イェンス・モンラード氏によれば、ランサムウェアの大半はメールで拡散されるという。不特定多数に拡散されるメールの多くは、運送会社の出荷明細の形を取っていると同氏は話す。
「今やこうしたメールは、現地の言語をほぼ完璧に使いこなしており、以前よりもはるかに合法的に見える。ランサムウェア攻撃の大半は送信先の国に合わせて『ローカライズ』されるようになった」
攻撃のほとんどは、無作為に選んだ相手に向けて大量にメール配信される。スロバキアのソフトウェア企業ESETのセキュリティ専門家マーク・ジェイムズ氏によると、できるだけ多くの人々を感染させ、成功のチャンスを最大限に広げることが目的だという。
ランサムウェアは、セキュリティ侵害を受けているWebサイトのドライブバイダウンロード攻撃によっても拡散される。ランサムウェアの危険性は周知されているが、もっと重要なことは感染を避ける方法と、感染時の対処方法だ。
ランサムウェア攻撃から復旧するアドバイスとして最も一般的なのが、データとシステムに、適切なバックアップポリシーを施行するというものだ。「感染したシステムを復旧する最も信頼性が高い方法は、定期バックアップだ」と米Proofpointの製品部長パトリック・ウィーラー氏は語る。そのため、初期の感染を防ぐことが一層重要になる。
米PhishMeで主任脅威研究者を務めるゲイリー・ワーナー氏によると、単純にバックアップするのではなく、新しいバージョンのバックアップが破損または暗号化される場合に備え、古いバージョンのファイルから「順番に」バックアップしなければならないという。
ランサムウェアの多くは、ネットワーク共有やリムーバブルドライブにあるデータの暗号化も試みる。
続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
今や誰もが入手可能となったフィッシングツール。そこにAIの悪用が加わり、フィッシング攻撃はますます巧妙化している。本資料では、20億件以上のフィッシングトランザクションから、フィッシング攻撃の動向や防御方法を解説する。
セキュリティ対策チームの57%が人材不足の影響を受けているといわれる昨今、インシデントや脆弱性への対応の遅れが、多くの企業で問題視されている。その対策として有効なのが「自動化」だが、どのように採り入れればよいのだろうか。
年々増加する標的型攻撃メール。この対策として標的型攻撃メール訓練を実施している企業は多い。こうした訓練では一般に開封率で効果を測るが、実は開封率だけでは訓練の効果を十分に評価できない。評価となるポイントは報告率だ。
従業員の情報セキュリティ教育は、サイバー攻撃や人的ミスによる情報漏えいから自社を守るためにも必要不可欠な取り組みだ。新入社員の教育を想定し、伝えるべき内容や伝える際のポイントを解説する。
2024年の情報漏えい事故の傾向では、攻撃者による大規模攻撃の他、社員や業務委託先のミス・内部犯行によるケースも多く見られた。インシデント別の要因と対策とともに、今後特に重要になるセキュリティ意識向上のポイントを解説する。
数分でデータを人質に 進化するランサムウェアに有効な「第2世代EDR」とは (2025/3/4)
クラウドサービスの脆弱性をどう解消する? 安全な開発環境を構築するヒント (2025/3/4)
「複雑、高額、難しい」を変える中堅・中小向けSASEのメリットを解説 (2025/2/10)
「Box」に移行してもなくならない「お守り仕事」を根本から効率化するには? (2025/1/23)
これからのセキュリティ対策に必要な「防御側の優位性」、AIはどう実現する? (2025/1/22)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。