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遠隔操作ツール「TeamViewer」を悪用か 水処理施設が受けた不正アクセスとは
米国フロリダ州にある水処理施設がサイバー攻撃を受けた。攻撃者はリモートデスクトップツールを悪用し、同施設のシステムに侵入して水酸化ナトリウムを有害な値まで増やそうとした。
何者かが米フロリダ州の水処理施設のシステムに不正に侵入し、水道水を有害化しようとした。この不正アクセスに使われたのは、水処理施設の端末にインストールされていたリモートデスクトップツール「TeamViewer」だ。
フロリダ州ピネラス郡保安官事務所によると、不正アクセスによる攻撃を受けたのは同州オールズマー市の水処理施設だ。「何者かが公共の安全を害することを狙った場合、水処理施設の管理システムのような脆弱(ぜいじゃく)なシステムが狙われる可能性がある」と同郡の保安官であるボブ・グァルティエリ氏は述べる。
攻撃者はリモートアクセスで水酸化ナトリウムの濃度を操作
グァルティエリ氏によると、最初に侵入を検知したのは2021年2月5日の午前8時頃だ。水処理施設のオペレーターが、自身が監視するシステムを誰かが遠隔操作していることに気付いた。
不正アクセスを受けたシステムは、水処理施設で利用する化学薬品の管理や設備の操作を制御するものだ。その端末には遠隔でデスクトップを操作するためのツールであるTeamViewerがインストールされていた。TeamViewerは、ITベンダーが遠隔サポートで使用することもある一般的なリモートデスクトップツールだ。
オペレーターは遠隔操作されているのに気付いた時、最初はあまり気に留めなかったという。上司がシステムを監視するために遠隔操作することがあるためだ。同日の午後1時30分頃に再び遠隔操作があり、何者かが水処理を制御するためのさまざまな機能を操作しようとしていたため、オペレーターは異常に気付いた。「3分から5分の間に、水中の水酸化ナトリウムの量を制御する機能など複数の機能が使われた」と、オペレーターは当時の状況を語る。
ピネラス郡保安官事務所によれば、侵入者は水酸化ナトリウムの量を100ppm(ミリグラム/リットル)から1万1100ppmに増やした。水酸化ナトリウムは排水管の洗浄剤などさまざまな用途に使われる。水道水においては、pH(水素イオン濃度)を調整したり、有害な成分を減らしたりするために使用される。濃度が高まれば人体に有毒になる危険性もある。
侵入者が遠隔操作をやめた後、オペレーターは直ちに水酸化ナトリウムの濃度を標準値まで下げ、上司に報告した。「オペレーターが不正な操作に気付きすぐに水酸化ナトリウムの値を正常に戻したので、水処理に重大な悪影響はなく公衆が危険にさらされることもなかった」とグァルティエリ氏は強調する。
同保安官事務所によれば、オペレーターが水酸化ナトリウムの濃度をすぐに変更しなかった場合でも、水道水として放出される前にチェックされるため即座に公衆が危険にさらされるわけではない。オールズマー市長のエリック・サイデル氏は「水処理施設のシステムにはpHレベルの変化を知らせるアラーム機能があり、人とシステムの監視による冗長性がある」と述べる。
今回の何者かによる侵入を受けて「リモートデスクトップツールの無効化を含め、不正アクセスを防ぐための措置を講じた」とグァルティエリ氏は説明する。
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