「RDPが使えるシンクライアントデバイス」選定のこつ【前編】
「シンクライアントデバイス」が欲しくなる6大メリット、買い控えたくなる3大課題
テレワークの実現にも役立つ「シンクライアントデバイス」は、企業にさまざまなメリットをもたらす。一方で見落とせない課題も幾つかある。主要なメリットと課題を整理しよう。
Microsoftは同社OS「Windows」に、画面転送プロトコル「Remote Desktop Protocol」(RDP:リモートデスクトッププロトコル)を標準搭載し、RDP経由で遠隔からデスクトップにアクセスできるようにしている。テレワークに取り組んでいる企業にとって、MicrosoftのDaaS(Desktop as a Service)「Windows Virtual Desktop」(WVD)を導入することは一つの手だ。ただし選択肢はWVDだけではない。
有力な選択肢となり得るのが、RDPを利用可能なシンクライアントデバイスだ。各社のシンクライアントデバイスは、ネットワークを整え、キーボードやディスプレイといった周辺機器を用意すれば、簡単に使うことができる。
本稿はシンクライアントデバイスに焦点を当て、RDPを使ってリモートアクセスするために、シンクライアントデバイスを使うメリットを考える。シンクライアントデバイスのコスト面や管理面のメリットとして、下記の6点が挙げられる。
併せて読みたいお薦め記事
「RDP」の安全性は大丈夫か?
メリット1.ライセンスコストの削減
一般的な商用のOSやアプリケーションが搭載されていないことが、シンクライアントデバイスの特徴だ。そのためシンクライアントデバイスでは、こうしたソフトウェアのライセンスコストが基本的に発生しない。
メリット2.ハードウェアコストの削減
シンクライアントデバイスは、稼働とリモートアクセスに必要な最小限のハードウェアやソフトウェアで構成されている。そのため一般的なノートPCやデスクトップPCと比べて本体価格が安めだ。
メリット3.エネルギー消費(電力コスト)の削減
一般的なノートPCやデスクトップPCと比べて、シンクライアントデバイスでは電力を消費する部品は限られており、本体全体の消費電力は少ない傾向がある。
メリット4.サポートの効率化
シンクライアントデバイスがRDPを通じてアクセスする先をサーバに一元化すれば、OSやアプリケーション、データをサーバに集約できる。そのため、これらが散在する一般的なノートPCやデスクトップPCと比べて、エンドユーザーに対するサポートがしやすくなる。
メリット5.メンテナンスの効率化
IT部門によるハードウェアの頻繁なメンテナンスが不要なことも、シンクライアントデバイスの利点だ。ほとんどのシンクライアントデバイスには、ユーザー企業が自前で修理可能な部品がない。故障すれば本体ごと入れ替えることになる。
メリット6.安定性の確保
シンクライアントデバイス内部のハードウェア構造は、物理的な駆動部分がないなど一般的なノートPCやデスクトップPCを比べて単純だ。そのためベンダーは稼働の安定性を高めやすい。
企業がシンクライアントデバイスを導入する上で、無視してはいけない重大な課題がある。主に以下の3点が考えられる。
課題1.オフラインでの利用制限
シンクライアントデバイスはリモートアクセスでの利用を前提としており、オフラインでは基本的には動作しない。そのためネットワーク接続がなければエンドユーザーは作業ができない。
課題2.UXの悪化
低速のネットワークに大量のシンクライアントデバイスが接続する場合、回線が過負荷になる可能性がある。そうするとユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)に支障が出る。
課題3.故障時のコスト増
シンクライアントデバイスに障害が起きた場合、基本的には本体を交換する。そのためハードウェア調達のコストがかさむ可能性がある。
企業はシンクライアントデバイスのメリットと課題を理解し、自社に最適な活用方法を考えることが重要だ。後編は、企業がシンクライアントデバイスを選定する際、どのような注意点があるかを紹介する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
2
パナソニックが国内製造26拠点のERPを「SAP S/4HANA」に統一 アドオン7割削減
-
3
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
4
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
5
守るべきは「開発者のフロー状態」 AIによる生産性改善の6施策
-
6
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
全社標準「Copilot」にダメ出し? 現場の8割が不満を抱く“致命的な欠点”
-
9
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
10
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー