クラウドサービスの脆弱性にCVEは必要か【第3回】
「脆弱性を明かさないベンダー」にセキュリティ専門家がいら立つ“当然の理由”
セキュリティ専門家は、IT製品やサービスの脆弱性をベンダーが公表しないことを問題視してきた。それによりベンダー、ユーザー企業、セキュリティ業界にどのような悪影響が生じると専門家は考えるのか。
ベンダーが脆弱(ぜいじゃく)性を公表しないのはクラウドサービスに限ったことではない。オンプレミスソフトウェアベンダーも、さまざまな手段を使ってパッチ配布を遅らせたり、表に出ないようしたりにするなどして、セキュリティ研究者をいら立たせてきた。
「脆弱性を明かさないベンダー」に研究者がいら立つ理由
クラウドサービスの脆弱性に脆弱性識別子「CVE」(Common Vulnerabilities and Exposures)がないことで懸念すべきなのは、ベンダーがその脆弱性を放置し、パッチ配布を先送りしてしまう点だ。脆弱性の修正にはユーザー企業の行動が必要になる場合がある。CVEがなければ「脆弱性についてベンダーとユーザー企業が言葉でコミュニケーションを取るのが難しくなり、ユーザー企業は自社が影響を受けるかどうかさえ分かりにくくなる」と、クラウドセキュリティベンダーWizのシニアセキュリティ研究者であるニール・オーフィールド氏は危惧する。
脆弱性非公開の問題が悪化するあまり、一部のバグハンター(脆弱性を探し出すセキュリティ研究者)は「発見した脆弱性をサードパーティーに売り渡す」ことを考えている。そうした脆弱性はゼロデイ攻撃(未修正の脆弱性を悪用する攻撃)につながりかねない。
「扱っているのがオンプレミスソフトウェアであれクラウドサービスであれ、どのベンダーにも製品やサービスの脆弱性に関する情報を公表する義務はない」と、トレンドマイクロの脆弱性発見コミュニティーZero Day Initiativeのコミュニケーションディレクター、ダスティン・チャイルズ氏は認める。それでもベンダーにとって最善なのは「できる限りの透明性を保つことだ」とチャイルズ氏は考える。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] 「回線速度不足」だけが原因ではない? Web会議の遅延を解決する方法とは -
製品資料
[東京エレクトロン デバイス株式会社] 工場の可用性向上に重要な「7つの領域」と対策 OTセキュリティ強化の基礎知識 -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 問い合わせ対応で本来の業務が進まない、総務や情シスの負担をどう減らす? -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 自社データから高精度な回答を生成、簡単に生成AIチャットボットを構築する方法 -
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] IT運用や従業員サポートは生成AIでどう変わる? 使い方や導入の流れは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
2
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
3
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
4
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
5
身代金支払いは逆効果 情シスのためのランサムウェア対策ガイド2026
-
6
多要素認証導入済みでもランサムウェア被害に 復旧費用は平均2億7000万円
-
7
DXを阻む「動くだけ」のレガシーシステムに決別するための生成AI活用術
-
8
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
9
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
10
自社を守る「SCS評価制度」活用法 7割の企業が取引先起点の情報漏えいに直面
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
8
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー