「AI」「自動化」が今度こそアナリティクスで使われる“根拠”とはアナリティクスはどう変わるのか【中編】

アナリティクスにAI技術や自動化技術を生かそうとする動きはこれまでもあった。ただし活用が広がっているとは言えない。それでも今度こそ活用が進むと考えているアナリストがいる。その判断の背景には何があるのか。

2022年05月18日 08時15分 公開
[Eric AvidonTechTarget]

 複数の技術の相乗効果を利用することで、企業はビジネスユーザーがより簡単にデータを操作、分析して洞察を導き出せるようにできる。自動生成された洞察を必要なタイミングでビジネスユーザーに直接提供できるようにもなる。

 アナリティクスベンダーは何年も、自然言語処理(NLP)機能や自動機械学習(AutoML)機能といった、人工知能(AI)関連や自動化関連の機能を開発、強化してきた。ただし企業での導入はあまり進んでいない。

それでも「AI」「自動化」がアナリティクスで使われるようになる訳

 2021年に調査会社Dresner Advisory Servicesは2021年2月に公開したレポートで、ビジネスインテリジェンス(BI)関連技術としてのNLPの重要性に関する理解は広がっているものの、投資の優先順位はいまだに低いことを明らかにした。調査会社Prescient & Strategic Intelligenceが2021年11月に公開したレポートによると、世界のAutoML市場の規模は2020年時点では3億4620万ドル。2030年の予想規模148億3080万ドルからみればごくわずかだ。

 NLPやAutoMLによって、ソースコードを理解して記述する必要がなくなる。その結果、分析へのハードルが低くなる。それでもまだ、エンドユーザーはデータを探索し、機械学習モデルをトレーニングして独自の洞察を導き出す必要がある。

 AI技術や自動化技術をアナリティクスと組み合わせれば、もっと簡単に洞察を得られる。MicroStrategyは、洞察を得るためにあらゆる場所でBIの利用を可能にすることを目標とするベンダーだ。Qlik Technologiesも、同様の概念である「アクティブインテリジェンス」を可能にすることを戦略としている。

 「AI技術と自動化技術の使用は今後も続く」と、調査会社Forrester Researchのマイク・グアルティエリ氏は語る。「AIの利用により意思決定のスピードが上がり、デジタルビジネスプロセスの変革が実現するのが楽しみだ」とグアルティエリ氏は続ける。

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