組織における脅威インテリジェンスの活用は広がっているものの、セキュリティ対策のさまざまな懸念が依然として残っている。セキュリティベンダーの調査結果を基に紹介する。
脅威インテリジェンス(サイバー攻撃の防止や検出に利用できる情報)の活用が広がる中でも、組織はセキュリティ対策において懸念を抱いている。これは2023年2月、セキュリティベンダーMandiantが公表した調査レポート「Global Perspectives on Threat Intelligence Report」で明らかになった点だ。組織はセキュリティ対策においてどのような問題を抱えているのか。
Mandiantは、市場調査会社Vanson Bourneに委託して2022年8月〜9月にグローバル調査を実施。調査対象となったのは、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)、北米、アジア太平洋地域で、従業員1000人以上の組織に務めるITセキュリティ意思決定者1350人だ。
調査では「脅威インテリジェンスの質に満足している」と答えた回答者は96%に上った。一方で目立ったのは、運用面での課題感だ。
回答者の79%が「自組織を狙うサイバー攻撃者を深く理解せずに意思決定をしている」と答えた。67%は「自組織の幹部はサイバー攻撃の脅威を軽視している」と回答。47%は「脅威インテリジェンスをより効果的に活用することが課題だ」と回答した。ステークホルダー(利害関係者)への情報共有に関する課題も挙がった。
他にも調査から、金銭目的のサイバー攻撃やハクティビスト(政治的な目的でサイバー攻撃を仕掛ける活動家)からの攻撃よりも組織が懸念を示す存在が明らかになった。それが、世界平和を脅かす「ならず者国家」だ。スパイ活動をする見込みのある国のうち、組織が最も不安を感じている国はロシア(57%)で、次いで中国が53%だった。
後編は、組織が保有する資産を守るために、まず取り組むべきセキュリティ対策を紹介する。
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