サイバーセキュリティの業務に忙殺されるCISOはさまざまな対処に追われ、ストレスにさらされている。セキュリティベンダーのBlackFogは、そうしたCISOの業務にとっては経営陣との関係が重要になると分析する。
セキュリティベンダーBlackFogが実施した調査によれば、英国と米国では退職を検討するCISO(最高情報セキュリティ責任者)がいる一方で、現状の職務を十分に遂行できていると評価するCISOもいる。BlackFogは、CISOの業務にとっては経営幹部との関係性が鍵になるとみる。具体的には何が必要なのか。
BlackFogは調査会社Sapio Researchに委託し、英国と米国の従業員数500人以上の企業405社に所属するCISOを対象に、2022年8月~9月にオンライン調査を実施。同年11月に同社が公表した結果によると、CISOはサイバーセキュリティのさまざまな業務に追われており、回答者の約3分の1が退職を検討していた。
ただしCISOは必ずしも現状の職務に悲観的なわけではない。回答者の75%は、「幹部が求めるスキルや価値発揮に完全に応えることができる」と答えた。64%の回答者は「優先度の高い仕事を、着手から6カ月以内に完了させた」という。CISOが自身の仕事をこう評価する背景には、企業がIT分野に関する支出の約3割(27%)をセキュリティ予算に割り当てている状況があるとBlackFogはみる。
こうした調査結果を受けて、BlackFogの創設者兼CEOダレン・ウィリアムズ氏は「セキュリティ業界にとって明るい兆候がある」と話す。CISOにはさまざまな課題や厳しいプレッシャーが伴う一方で、経営幹部がCISOのニーズに耳を傾け、CISOは経営幹部からの期待に応えている状況が見て取れるからだ。
セキュリティリスクを軽減するために重要なのは、「目まぐるしく変化する状況に適応すること」だとウィリアムズ氏は話す。「経営陣は、最新のセキュリティ製品やセキュリティモデルに付いていくための時間に加えて、人材や予算といったリソースをセキュリティチームに提供しなければならない」というのが、同氏の主張だ。
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