広告制作における「生成AI」の活用が広がりつつある。中小企業のマーケターにとってうれしいメリットや、注意すべきリスクについて解説する。
テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)の活用が幅広い業界で進んでいる。特にその動きが顕著なのは広告業界だ。広告制作に生成AIを活用することで、企業はどのようなメリットを得られるのか。懸念すべきリスクと併せて解説する。
2023年10月、インターネット通販大手Amazon.comの広告部門Amazon Adsは、生成AIツール「Amazon Ad Console」のβ版の提供を開始した。同社が運営するEコマース(EC)サイトの出品者は、Amazon Ad Consoleを用いて商品に適した背景画像を生成できる。
Amazon Ad Consoleは広告制作にかかる時間の短縮に役立つだけではない。同社がECサイト運営で得た知見を生かしてコンテンツのパーソナライズ化を支援し、適切な商品誘導につなげる。配信する広告が消費者のニーズに沿っているかどうかを確認することも可能だ。
調査会社Constellation Researchでアナリストを務めるリズ・ミラー氏は「生成AIツールを活用することで、コストや人的資源の余裕がない中小企業でも広告を打ちやすくなる」と話す。
ミラー氏は、生成AI技術の目覚しい進歩に注目する。2023年3月にAdobeが発表した生成AIツール「Adobe Firefly」と、同年10月に発表した「Adobe Firefly Image 2 Model」には大幅な違いが見られる。後者では、プロンプト(指示)の理解性能が大幅に向上した他、出力画像の遠近感や色彩感がよりリアルに近い状態に改善したという。同氏は「ここ数年間で急速に進んだ生成AIの進化は、今後も続く」との見方を示す。
一方で、生成AIツールの使用には課題もある。ミュンヘン大学(Ludwig-Maximilians-Universitaet Muenchen)の画像生成モデル「Stable Diffusion」や、AIベンダーOpenAIのテキストを基に画像を生成するAIサービス「Dall-E」などの登場以降、世間ではさまざまな批判が出ている。例えば、Webから収集したデータを基にコンテンツを生成した場合、実在するアーティスト作品の著作権を侵害するリスクがある。生成AIツールがアーティストやデザイナーの仕事を奪ったり、報酬相場を下げたりする可能性を危惧する声もある。
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