SAPのERPからOracleのクラウドERPに移行した英国バーミンガム市議会が窮地に立たされている。市は決算業務に遅延が発生しただけではなく、財政破綻した。何が起こったのか。
英国のバーミンガム市議会は、1999年から使用してきたSAPのERP(統合業務システム)をOracleのクラウドERPに移行することを決定。2018年に、ERPの移行作業を開始した。しかし移行は難航し、運用開始後も業務改善はおろか手作業による処理が発生しているという。何が起こっているのか。
2024年3月、バーミンガム市議会の財務計画責任者を務めるピーター・セバスチャン氏は同市議会に報告書を提出した。その中で、OracleのERPシステム運用で発生している以下の問題を指摘した。
報告書からは、問題の解決にさらなる費用が必要であることが読み取れる。OracleのERPシステムのランニングコストに加え、計上済みの予算8600万ポンドと、2026年までに4500万ポンドの追加費用が必要になると書かれているのだ。
バーミンガム市は2023年9月に財政破綻した。ITニュースサイト「The Register」は同市の財政破綻について、バーミンガム市議会議長を務めるジョン・コットン氏と、副議長を務めるシャロン・トンプソン氏に話を聞いた。両氏は「Oracleのシステム導入に伴うコストが財政破綻に拍車を掛けた」と説明したという。2024年2月には公共放送局BBC(英国放送協会)が、市民税を21%引き上げることを同市が認めたと報じた。同じタイミングで、議会の報告書からOracleのERPシステムを運用するための追加費用の存在が明らかになった。
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