Windows 10の欠陥が”復活” 「ロールバック」された脆弱性に警戒攻撃の可能性、再び

修正されていた「Windows 10」の脆弱性が復活し、ユーザー企業は再び攻撃のリスクに直面している。被害状況と、今すぐに講じなければならない対策とは何か。

2024年11月11日 08時00分 公開
[Arielle WaldmanTechTarget]

 MicrosoftはOS「Windows 10」の過去のパッチ(修正プログラム)を無効化し、修正されたはずの欠陥を復活させる脆弱(ぜいじゃく)性「CVE-2024-43491」について注意を呼び掛けている。CVE-2024-43491は、米国の共通脆弱性評価システムCVSS(Common Vulnerability Scoring System)による深刻度が「緊急」(スコア9.8)だ。システムを保護するためにユーザー組織はどうすればいいのか。

「悪用の事実を確認済み」 講じるべき対策はこれだ

 過去の修正プログラムを無効化して再び攻撃を可能にすることを「ロールバック」と呼ぶ。MicrosoftはCVE-2024-43491により、2024年3月から同年8月の間に修正プログラムが適用されたWindows 10(バージョン1507)の脆弱性が攻撃者に悪用される可能性があると説明する。

 CVE-2024-43491が実際に悪用されたかどうかは明確ではない。Microsoftはロールバックされた脆弱性について「悪用の事実を確認済み」としているが、TenableはCVE-2024-43491については「直接悪用された証拠はない」と説明する。

 Tenableシニアスタッフリサーチエンジニアのサトナム・ナラング氏は米TechTarget編集部に対し、Windows 10のセキュリティ更新プログラムを迅速に適用することの重要性を強調。「今回の脆弱性はランサムウェア(身代金要求型マルウェア)をはじめとした各種攻撃に悪用されるリスクがある」(同氏)という。

 MicrosoftはCVE-2024-43491に対処するために、2024年9月のサービススタック更新プログラム(Windowsを更新するためのコンポーネントであるサービススタックに対する修正)をインストールすることをユーザー企業に推奨している。

 Microsoftは次のように説明する。「2024年3月から2024年8月までの間にリリースされたセキュリティ更新プログラムのいずれかをインストールしていた場合、脆弱性の修正はロールバックされている。修正を復元するには、2024年9月のサービススタック更新プログラムと、Windows 10のセキュリティ更新プログラムをインストールする必要がある」

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 株式会社エーアイセキュリティラボ

AIで人材不足を解消、セキュリティ担当者のためのDXガイド

DX推進によってさまざまなビジネスシーンでデジタル化が加速しているが、そこで悩みの種となるのがセキュリティの担保だ。リソースやコストの制限も考慮しながら、DXとセキュリティを両輪で進めるには何が必要になるのか。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

セキュリティ運用を最適化し、SOCの負担を軽減する「SOAR」とは?

サイバー攻撃が巧妙化し、セキュリティチームとSOCは常に厳戒態勢を取り続けている。さらにデジタルフットプリントの拡大に伴い、セキュリティデータが絶え間なく往来する事態が生じている。このような状況に対応するには、SOARが有効だ。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

現在のSOCが抱える課題を解決、AI主導のセキュリティ運用基盤の実力とは?

最新のサイバー攻撃に即座に対応するためには、SOCを従来の在り方から変革することが重要になる。しかし、何をすればよいのか分からないという組織も多い。そこで本資料では、現在のSOCが抱えている5つの課題とその解決策を紹介する。

市場調査・トレンド パロアルトネットワークス株式会社

セキュリティの自動化はどこから始める? SecOpsチームを楽にする正しい進め方

高度化するサイバー脅威に効率的に対処するには、セキュリティの自動化が欠かせない。だが自動化の効果を高めるには、使用ツールの確認、ワークフローの分析などを行った上で、正しいステップを踏む必要がある。その進め方を解説する。

製品レビュー ゼットスケーラー株式会社

AIで脆弱性対策はどう変わる? セキュリティ運用や意思決定に与える影響力とは

脆弱性対策は作業量や難易度を予測しづらく、限られたリソースで対応するのが難しい。さらに、単体の深刻度評価のみとなる一般的なセキュリティ監査ツールでは、包括的な分析は容易ではない。これらの課題を、AIはどう解決するのか。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...