DEIの取り組みに対して、ITエンジニアの大部分がポジティブな影響を実感していると答えた調査結果がある。一方、人材の多様化は進んでいないという見方もある。何が起こっているのか。
ITエンジニアの大部分は「自身の職場はDEI(多様性、公平性、包摂性)を推進しており、DEIが職場にポジティブな影響をもたらしている」と考えている──。人材コンサルティング会社Frank Recruitment Group Services(Tenth Revolution Groupの名称で事業展開)がそんな調査結果を発表した。一方、英国コンピュータ協会(BCS)は、ITエンジニアの人材の多様化は進んでいないと指摘する。
ITエンジニアの多様化が進まない要因の一つに、DEIに対する企業の姿勢がある。企業によっては、特定のグループを優遇したり、積極的に採用はするが、その後の定着率までは考慮しなかったりするところがある。
ある企業は「IT部門の人材の多様性を高めることに成功した」と主張する一方、「予算の削減や、社内の経営層から支持を得られないことがDEIの取り組みを妨げている」と説明する企業もある。
Tenth Revolution Groupの調査に回答した企業の大部分は「自分の職場は、障害があるITエンジニアにも平等な機会を提供している」と回答している。有色人種のITエンジニアについても同様だ。一方、「女性のITエンジニアにも平等な機会を提供している」と回答した企業の割合は低い。
DEIを推進する業界団体Tech Talent Charterの調査によると、女性がITエンジニアという職種やIT業界での勤務を続けづらい要因は、柔軟な働き方を選びにくいことにある可能性がある。「子育てや介護といった家族の世話がキャリアの選択を左右したか?」という質問に対して、回答者の女性エンジニアの40%が同意した。調査は、軍需企業BAE Systemsの委託でTech Talent Charterが実施し、英国の700社以上のIT企業の従業員23万人が回答した。
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