VPNは、料金や機能などが異なるさまざまな製品が存在する。iPhoneを業務利用する企業が、自社の条件に合った製品を見つけるための参考にできる、主要なVPN製品4つを紹介する。
社内ネットワークへの安全なアクセス手段としてVPN(仮想プライベートネットワーク)は普及しているものの、膨大なVPN製品の中から自社に合うものを選ぶことは容易ではない。特にAppleのスマートフォン「iPhone」は、OS標準のVPNクライアント機能やMDM(モバイルデバイス管理)ツールを用いた効率的な運用管理が可能なため、企業利用に適したさまざまなVPN製品が出回っている。本稿は、そうしたiPhone向けVPN製品の中から主要な選択肢4つ紹介する。
Check Point Software Technologiesのファイアウォール製品はVPN機能を搭載している。リモートアクセスVPNは、以下のツールで利用可能だ。
リモートアクセスVPNは、MDMツールと連携してデバイスのセキュリティ状態に応じたアクセス制御を適用する機能も持つ。
Cisco Secure Clientは、Cisco SystemsのVPN製品「Cisco AnyConnect」の次世代版に当たる。Cisco Secure Clientは、Cisco AnyConnectの機能を拡張したサービスとして、以下の機能を提供する。
Cisco Secure Clientは、「Cisco Secure Firewall」、「Cisco ASR」(ASR:Aggregation Services Routers)、「Cisco Identity Services Engine」(Cisco ISE)といったCisco Systemsのセキュリティツールやネットワーク機器と連携して使用する。Cisco Secure ClientをiPhoneで利用する場合の設定は、MDMツールやAppleのモバイルデバイス括管理ツール「Apple Configurator」、Cisco Secure Client用のVPNクライアントプロファイルを通じて実施する。
FortiClientは、以下のツールと連携してセキュリティを保持するサービスだ。
FortiClientはクライアントデバイスで動作し、Fortinetのセキュリティ製品群「Fortinet Security Fabric」と連携して動作する。FortiClientを使うことで、エンドユーザーはVPNトンネルを経由して企業ネットワークに接続可能だ。FortiClientは以下のセキュリティ機能も備える。
FortiClientはiOS向けに以下も用意している。
Nordsec(Nord Securityの名称で事業展開)のNordLayerは、個人と企業の両方に向けてVPN製品を提供している。VPN機能に加えて以下の機能を備える。
NordLayerのサーバは、最大1Gbpsの速度を実現可能だ。NordLayerは30カ国以上に仮想ゲートウェイを設置しており、オンプレミスシステムとクラウドサービス両方のリソースへの安全なアクセスを実現する。企業のコンプライアンス順守を検証する機能も利用できる。
次回は、iPhoneにVPNを導入する際の作業プロセスを紹介する。
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