「VPN」選びに迷ったらまず見ておきたい主要製品4選VPNの選定から導入までをおさらい【中編】

VPNは、料金や機能などが異なるさまざまな製品が存在する。その中から条件に合った製品を見つけるための参考にできる、主要なVPN製品4つを紹介する。

2025年07月06日 06時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 社内ネットワークへの安全なアクセス手段としてVPN(仮想プライベートネットワーク)は普及しており、さまざまな製品が出回っている。膨大な数のVPN製品から自社に最適なものを選ぶのは容易ではない。本稿は、主要なVPN製品を4つ紹介する。

企業向けVPNの選択肢4選

1.Check Point Software Technologiesの「リモートアクセスVPN」

 Check Point Software Technologiesのファイアウォール製品はVPN機能を搭載している。リモートアクセスVPNは、以下のツールで利用可能だ。

  • モバイルアプリケーション
    • 「iOS」と「Android」両方のモバイルデバイス用OSで利用可能。
    • 「モバイルデバイス管理」(MDM)ツールと連携して動作する。
  • 「Windows」とiOS用のクライアントソフトウェア
    • 暗号化プロトコルに「IPsec」を用いたVPN(仮想プライベートネットワーク)である「IPsec VPN」を利用している。
  • Webブラウザ
    • 暗号化プロトコル「SSL」(Secure Sockets Layer)もしくは「TLS」(Transport Layer Security)を用いたVPNである「SSL VPN」を利用している。

2.Cisco Systemsの「Cisco Secure Client」

 Cisco Secure Clientは、Cisco SystemsのVPN製品「Cisco AnyConnect」の次世代版に当たる。 Cisco Secure Clientは、Cisco AnyConnectの機能を拡張したサービスとして、以下の機能を提供する。

  • 脅威対策
  • ローミング(異なるネットワークへ接続を切り替えること)時のデバイスの保護
  • 「ZTNA」(ゼロトラストネットワークアクセス)の制御
  • ネットワークの可視化
  • 検査機能

 Cisco Secure Clientは、「Cisco Secure Firewall」、「Cisco ASR」(ASR:Aggregation Services Routers)、「Cisco Identity Services Engine」(Cisco ISE)といったCisco Systemsのセキュリティツールやネットワーク機器と連携して使用する。Cisco Secure Clientを「iPhone」で利用する場合は、MDMツールやAppleのモバイルデバイス括管理ツール「Apple Configurator」、Cisco Secure ClientのVPNクライアントを用いる。

3.Fortinetの「FortiClient」

 FortiClientは、以下のツールと連携してセキュリティを保持するサービスだ。

  • FortiSASE
    • ネットワークとセキュリティを単一のクラウドサービスとして提供する「SASE」(セキュアアクセスサービスエッジ)を実現する。
  • FortiNAC
    • ネットワークアクセス制御ツール。
  • FortiPAM
    • 管理者権限の統制やセッション(ある通信の開始から終了までの単位)の管理を実施する。

 FortiClientは、クライアントデバイスで動作し、Fortinetのセキュリティ製品群「Fortinet Security Fabric」と連携して動作する。FortiClientを使うことで、エンドユーザーはVPNトンネルを経由して企業ネットワークに接続可能だ。FortiClientは以下のセキュリティ機能も備える。

  • エンドポイントの隔離
  • Webアプリケーションファイアウォール(WAF)
    • Webアプリケーションとインターネットの間に配置され、トラフィックを監視してフィルター処理を施すことで、セキュリティを確保する技術。
  • サンドボックス
    • テストのための隔離環境。

 FortiClientはiOS搭載デバイス向けに以下も用意している。

  • Webフィルタリング機能
  • セキュリティの状態を分類する「セキュリティポスチャタグ」
  • ログの取得機能

4.Nordsecの「NordLayer」

 Nordsec(Nord Securityの名称で事業展開)のNordLayerは、企業向けVPN製品だ。VPN機能に加えて以下の機能を備える。

  • 脅威対策
  • スプリットトンネリング
    • VPN接続が必要な通信のみを保護する機能。
  • IP許可リスト
    • アクセスを許可できる特定のIPアドレスをリスト化するための機能。
  • 拠点間VPN
    • 企業の本社や支社など各施設間の安全な通信を実現するための機能。

 NordLayerのサーバは、最大1Gbpsの速度を実現可能だ。NordLayerは30カ国以上に仮想ゲートウェイを設置しており、オンプレミスシステムとクラウドサービス両方のリソースへの安全なアクセスを実現する。企業のコンプライアンス保持を検証する機能も利用できる。


 次回は、VPNを導入する際の作業プロセスを紹介する。

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