最新の脅威とゼロトラストの全貌【第6回】
「ゼロトラスト実装」どこから着手すべき? 失敗しない“3つのステップ”とは
ゼロトラストを実現するには、段階的かつ現実的なステップを踏んでいくことが重要です。エンドポイント対策、ネットワーク構築、ID管理の観点から、ゼロトラストのステップをどう踏み出すべきかを解説します。
全てのアクセスを信頼しない「ゼロトラスト」の重要性を認識していても、具体的な実装のステップに着手できていない企業は少なくありません。ゼロトラストの実現に向けて、現実的にはどのようなステップを踏んでいけばいいのでしょうか。導入前に押さえておくべきゼロトラストの基本や注意点に触れた第5回「『ゼロトラスト』を理想論で終わらせない――SASEによる現実的な実装方法」に続き、今回はゼロトラスト導入を迷わず進めるためのステップを3段階に分けて紹介します。
確実な導入手順:失敗しないために
ゼロトラストのセキュリティを実現するために、すでに動き出している企業は多いことでしょう。しかし、その導入には適切なプロセスと全体戦略、体制が必要になることには注意が必要です。まずは導入しやすいセキュリティ対策からスモールスタートで開始するのも手です。その具体的な手順として、NTTPCコミュニケーションズでは次の3つのステップを提案しています。
STEP1:エンドポイントセキュリティ対策の強化
最初のステップでは、最も攻撃にさらされているエンドポイント(従業員の端末)の対策から始めていきます。特に、テレワークで利用する業務用端末は、自宅・外出先などから直接インターネットにアクセスすることが多いため、セキュリティ強化が必要です。これらのデバイスには、すでにアンチウイルスソフトウェアが導入されていることと思いますが、サイバー攻撃も巧妙化・多様化しているのでアンチウイルスだけでは不十分です。
業務用端末は企業ネットワークへの入り口ともなり得るので、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)やEmotet(拡散型のマルウェアの一種)に代表されるサイバー攻撃の標的となります。そこで、DNSセキュリティやセキュアWebゲートウェイの導入が推奨されます。これらによって、セキュリティの脅威に対する多層防御が実現できます。
STEP2:クラウド利用に適したネットワークの構築
エンドポイントのセキュリティ強化に続いて、クラウド利用に最適な企業ネットワークを構築します。IP-VPNを中心とする従来型の企業ネットワークは、センター拠点のセキュリティ機能を介してインターネットに接続することが一般的です。この構成では接続口が1点に集約されているため、トラフィックの増加時には通信品質が悪化してしまい、クラウドやWeb会議の利用に影響を及ぼす可能性があります。
この課題に対してSD-WANを導入すれば、各拠点からインターネットに直接接続するインターネットブレークアウトが可能になります。ネットワーク輻輳(ふくそう)を発生させず、クラウドへの快適なアクセスが実現します。
STEP3:ID管理を容易に
SASE製品を利用することで、クラウドサービス利用時の快適性と安全性を確保しやすくなります。その一方で、クラウドサービスはインターネットというオープンな環境を利用するため、セキュリティ脅威や情報漏えいのリスクが高くなることに注意が必要です。
このため、情報資産にアクセスするIDの管理や認証の強化が必要になります。クラウドや社内サーバへのSSOやID管理を一元的に管理でき、認証情報の漏えいやサイバー攻撃への対策を可能にすることが望ましいと言えます。NTTPCコミュニケーションズのリモートアクセスサービスとシングルサインオンの組み合わせでも実現することが可能です。クラウドサービス利用、社内業務システム利用を問わず、シームレスな認証を実現します。
ここまで説明してきたように、SASEによってゼロトラストのセキュリティを実現し、より強固なセキュリティ対策を構築できます。しかしSASEには複数の機能が含まれるため、スムーズに導入するにはさまざまな知見が必要になります。スモールスタートや、豊富な経験と実績を持つベンダーに相談することも検討するとよいでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
最新の脅威とゼロトラストの全貌
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
6
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
7
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
8
AI基盤は本当に「オンプレ回帰」する? Broadcomの言い分と企業の本音
-
9
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
10
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー