Google公式のAI、クラウド学習基盤「Google Skills」登場 スキル習得からキャリア形成まで支援約3000のコースを統合、新たなスキルバッジや開発者支援プログラムも提供

Googleは、クラウドやAI分野の学習を支援する学習基盤「Google Skills」を公開した。従来の「Google Cloud Skills Boost」などを統合し、約3000本のコースやハンズオンラボを一元的に提供する。

2025年10月24日 08時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 Googleは2025年10月10日(米国時間)、学習基盤「Google Skills」を公開した。Google Skillsは、Googleが提供してきた複数の学習リソースを統合したもの。対象は学生から開発者、経営層まで幅広い層を想定している。

Google Cloud、DeepMindなどの公式教材を統合

 Google Skillsでは「Google Cloud」「Google DeepMind」「Grow with Google」「Google for Education」など、異なるプログラムから提供される教材を横断して検索、受講できる。AI(人工知能)、データ分析、セキュリティ、クラウドインフラなど多様な分野をカバーしている。実践的なハンズオンラボも充実しており、「Gemini Code Assist」を使ってアプリケーション開発を体験するコンテンツも含まれる。

AI開発関連のスキルバッジを追加

 既存のスキルバッジ制度にAI開発分野の新しいバッジを追加した。スキルバッジは、受講者が特定のコースやハンズオンラボを修了すると発行されるデジタル認定証で、習得したスキルを可視化できる仕組みだ。

 新たに追加されたバッジには、「Kickstarting Application Development with Gemini Code Assist」など、生成AIやエージェント開発をテーマとした実践的な内容が含まれる。これによって、受講者はAI開発の実務スキルを習得し、習得証明としてオンラインで共有できるようになるという。また、学習を継続しやすくするために「リーグ」「アチーブメント」「連続学習ストリーク」などのゲーミフィケーション要素も導入し、学習意欲の向上を図っている。

 企業向けには、チームごとに学習コースを割り当てたり、進捗を可視化したりする管理機能を提供する。組織単位でスキル育成を進める際に役立つ仕組みを備えており、Googleによると、学習プログラムを導入した企業の74%が「生産性向上に寄与した」と回答し、71%が「収益の拡大につながった」と述べているという。

開発者と企業を支援する「GEAR」プログラム

 Googleは基盤提供と同時に、新たな開発者支援プログラム「GEAR」(Gemini Enterprise Agent Ready)も発表した。これは、生成AIエージェントの構築、展開、運用スキルを効率的に学ぶための短期学習プログラム だ。また、同じタイミングでGoogleは米金融サービス企業Jack Henryとの提携も発表している。Google Cloudのデータ分析やサイバーセキュリティ関連の認定証取得者に対し、同社の採用面接への優先参加権を提供するという。同社の調査によると、企業の82%が「資格、証明書を採用時に重視する」と回答しており、Googleは「学習と雇用を直接結び付ける動きが活発になっている」と分析している。

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