「VMware vSphere」のバージョン7は、2025年10月にサポートが終了した。VCFへの移行によるコストの増大を避けるために、サポート切れのvSphere 7を使い続けることはできるのか。
VMwareのサーバ仮想化製品群「VMware vSphere」のバージョン7(vSphere 7)は、2025年10月2日にサポート終了を迎えた。継続してvSphere 7を利用している企業は、サーバ仮想化戦略の見直しを迫られている。同製品はサポートが終了した後も使用できるのか。
VMware製品の導入運用サービスを提供するSpinnaker Supportのシニアディレクターであるシェーン・オルーク氏は、次のように警告する。「VMware製品の永久ライセンスを保有するユーザー企業は更新ファイルをダウンロードする権利を持つ可能性があるものの、ベンダーのサポートサービスの更新にはプライベートクラウド構築サービス群『VMware Cloud Foundation』(VCF)のサブスクリプション契約に移行する必要がある」
VCFで提供される単一の製品・サービスのみを使用している企業にとって、VCFへの移行は割高なアップグレードになる可能性がある。
オルーク氏は、vSphere 7を継続して使用するためのサードパーティーの保守サービスを検討する、さまざまな企業と話をしたという。同氏は「ユーザー企業のVMwareに対する信頼が欠如している」と話す。
BroadcomはVMware製品のラインアップの簡素化を目指している。しかしVMwareの永久ライセンスを廃止し、製品群をVCFにバンドルすることで、将来に何をしようとしているのかは不明瞭だ。「VMware製品で構築したIT資産は、ユーザー企業のITリーダーにとって予想外の事態を生じさせる可能性がある」とオルーク氏は言う。
買収前のVMware製品群は、ユーザー企業がソフトウェア定義データセンター(SDDC)を構築する際に、自社の要件に合わせて製品を自由に選択して採用できた。しかしBroadcom買収後のVCFには、ユーザー企業はどの製品やサービスを採用するかについて選択の余地がなく、使用しないVMware製品に対してもサービス料金を支払わなければならない場合がある。この提供形態は、一部のユーザー企業にとって実質的な価格の上昇を引き起こしている。
BroadcomがVMwareを買収した2023年、vSphereのバージョン8(vSphere 8)が既に提供されていたにもかかわらず、vSphere 7は広く普及していた。ユーザー企業によっては、vSphere 7が永久ライセンスで保有する最後のバージョンだ。
サポートが終了した後もvSphere 7を使用することはリスクが伴う。サポートがない状態のシステム運用は、セキュリティや機能の問題を引き起こす可能性があるため、慎重な判断が求められる。
永続ライセンスを持つ一部のユーザー企業は、vSphere 8をダウンロードする権利を持つ可能性がある。しかしオルーク氏によると、VMware製品のサポートを更新することは、ほとんどのケースでサブスクリプション契約への移行を意味する。
VMware vSphereはさまざまな製品やシステムと連携しており、障害が発生すると単一の構成要素に影響がとどまるとは限らない。オルーク氏の経験では、予期しない製品の欠陥や製品同士の互換性の問題、または連携システムの仕様変更を、VMwareやBroadcomの開発部門にエスカレーションすることがあった。しかしvSphere 7がサポートを終了したことで、そのオプションはなくなった。
サードパーティーのサポートを提供する会社として、Spinnaker Supportは更新プログラムを提供できないものの、ITインフラを維持するための豊富な経験を持っていると話す。「発生した問題に対して製品単体のログを確認するだけではなく、ユーザー企業がどのようにVMware製品をITインフラに組み込んで、どのような用途に利用しているかを確認する。このアプローチは成功しており、ユーザー企業のITインフラの問題はたいてい解決できる」(オルーク氏)
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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