忙しすぎて電話に出られない――。現場の悲鳴を、AIエージェントの導入で解決した「焼肉きんぐ」の決断から、企業の情シスが学ぶべき「攻めの省人化」の急所を突く。
物語コーポレーションは、同社が運営する焼肉食べ放題専門店「焼肉きんぐ」にAI Shiftの電話対応AIエージェント「AI Worker VoiceAgent」を採用した。2026年2月9日、AI Shiftが発表した。全国230店舗で月間約15万件にのぼる電話対応の自動化を図り、店舗運営の効率化と顧客体験の向上を目指す。
物語コーポレーションが展開する焼肉きんぐでは、これまで各店舗の予約や問い合わせといった電話対応を全て人手で行ってきた。しかし、電話対応専任の人員配置が必要になるなど現場の負荷が大きく、特に入店が集中するピーク時には電話に出られないケースも発生していた。予約の取りこぼしによる機会損失や顧客満足度の低下が課題となっていたという。
こうした背景から、同社は電話対応業務の省人化による労働環境の改善と顧客利便性の向上を目的に、AIによる音声自動応答の導入を検討した。選定にあたっては、同グループの「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」での利用実績があることに加え、既存の予約システムであるEPARKに合わせた柔軟な開発が可能である点を評価した。また、生成AIを活用することで、人らしい自然な対話による応対を実現できる点も採用の決め手となった。
AI Worker VoiceAgentは現在、焼肉きんぐの電話窓口として、順番待ち予約や翌日以降の予約、予約内容の確認・キャンセル、各種問い合わせ対応を担っている。同ブランド特有の複雑な予約体系に対しても、生成AIを用いた自然な対話によって、スムーズな自動応答を実現しているという。
導入の効果として、全国の対象店舗における月間約15万件の電話対応の自動化に成功。同社では配膳ロボットやセルフレジなどの施策も並行して進めており、今回の自動化によって店頭受付に常時人を配置しなくても運営できる体制を構築した。店舗スタッフが接客などの本来注力すべき業務に集中できるようになったことで、運営効率と顧客体験の両立につながっているとしている。
今後は、問い合わせ内容を基にした回答の自動生成など、活用の幅をさらに広げていく計画だ。AI Worker VoiceAgentを単なる自動応答ツールにとどめず、店舗運営を支える「AIワーカー」として進化させることで、持続可能な店舗運営とサービス品質のさらなる向上を目指すとしている。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「物語コーポレーション、全国の焼肉きんぐで電話対応を自動化 月15万件の業務を省人化」(2026年2月9日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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