ファナックは、基幹システム刷新の一環としてAPI管理基盤に「Kong Konnect」を採用した。選定の決め手となった4つの要素とは。
ファナックは、2030年までの中期目標として基幹システムのモダナイゼーションを進めている。その施策の1つであるAPIマネジメントの整備に向けて「Kong Konnect」を採用した。2026年4月15日、Kong Konnectを展開するKongが発表した。
全社の業務データを一貫して管理・運用できるようにするための業務データ連携基盤の構築を進めている同社は、同基盤上でAPIを活用した連携の増加を見込んでいる。そこで、これらを安全かつ効率的に管理する仕組みが不可欠だと判断した。
ファナックにおける従来のシステム運用では、データベースの直接参照やFTPによるファイル連携、個別API連携といった異なる方式が混在しており、全社的な統制や運用管理に課題を抱えていた。長年の運用の積み重ねによって生じたこうした分断は、API活用の拡大を見据えた際のボトルネックとなっていた。次期システム構想では、APIを単なる技術要素ではなく、企業活動を支える重要な「データ資産」と位置付け、設計から公開、運用、廃止に至るまでのライフサイクル全体を統制するガバナンスの整備が優先課題となっている。
Kong Konnectの選定に当たっては、複数製品との比較検討を経て、ハイブリッドクラウド環境への包括対応が評価された。オンプレミスとクラウドが混在する環境を単一プラットフォームで統合管理できる点に加え、Kubernetes上のAPIだけでなく、SaaSやパッケージ製品のAPIも含めて一元管理できる包括性が決め手となった。また、設定をコードで管理しCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインと統合するAPIOps(APIの設計から廃棄までのライフサイクル全体をDevOpsとGitOpsの原則に基づいて自動化、最適化する手法)との親和性が高く、手作業を抑えたモダンな運用モデルを実現できる点も評価された。さらに、日本法人の設立による国内サポート体制の充実が、エンタープライズ用途での採用を後押しした。
導入により、増え続けるAPIを可視化できること、共通ルールに基づく一元的な運用体制を構築できることが期待されている。認証やセキュリティ、流量制御、公開ポリシーといった共通仕様をプラットフォーム側に集約することで、各アプリケーションが個別に機能を実装する負荷を軽減し、開発効率と保守性の向上を図る。また、APIの設計から運用、廃止までのライフサイクルを標準化することで、統制の効いたガバナンスを組織全体に定着させる。これにより、APIを継続的に活用できる「データ資産」として管理し、将来的な無駄な保守コストの抑制にもつなげる。
ファナックの常務理事兼CIO兼CISOでIT本部長を務める尾原丈太郎氏は、2030年に向けた中期ITビジョンの下で、ハイブリッド環境におけるAPI管理の標準化とガバナンス強化を実現する仕組みを検討してきたと説明する。Kong Konnectは、これらの要件に対応し得る基盤として評価したものだという。今後はAPIの体系的な整理とカタログ化を進め、品質管理と利用状況の可視化を徹底することで、ものづくりを支えるデータ流通基盤の高度化を加速させる方針だ。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「ファナック、Kong Konnectで次世代基幹システムのデータ連携基盤を刷新」(2026年4月16日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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