月間約2000通の請求書処理をAIで自動化 日本電設資材「勘定科目の判断」もAIへ

日本電設資材は、月間約2000通に及ぶ請求書処理や経費精算業務をAIエージェントで自動化し、年間約1000時間の工数削減を見込む。これまでの課題や導入までのプロセスを紹介する。

2026年05月18日 05時00分 公開
[CaseHub.NewsTechTargetジャパン]

 「仕入れ先が多い」「商品群が幅広い」といった特徴を持つ企業の請求書処理で生じる人的負担は大きくなりがちだ。

 こうした中、電設機器・産業機器の専門商社である日本電設資材は、「TOKIUM AI明細入力」および「TOKIUM AI経費承認」を採用した。2026年5月12日、TOKIUMが発表した。AIエージェントによって、これまで人が担ってきた請求書処理や承認業務、問い合わせ対応をAIに委ね、年間約1000時間の工数削減を見込む。

月間2000通の請求書処理が課題に

 日本電設資材は、2000社以上のメーカーを取り扱う専門商社だ。同社では、仕入れ先の多さと商品群の幅広さから、月間約2000通に達する請求書処理の効率化が課題となっていた。

 同社は既に、TOKIUMの請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」を導入しており、請求書の電子化や仕訳・会計連携、承認、帳票保管などの業務負担削減を進めていた。しかし、請求書や納品書の明細照合業務では人的負担が依然として残っていたという。さらに、経費精算では差し戻しが多発し、申請者と承認者の双方に手直し負担が発生していた。

 こうした背景から同社は、属人化の解消と、判断や処理までAIへ委ねられる持続可能な業務基盤の構築を目指し、AIエージェントの導入を進めた。

「勘定科目の判断」もAIへ委任

 日本電設資材が採用したTOKIUM AI明細入力は、AIが過去の修正履歴や仕訳データを学習し、請求書や納品書の明細を自動でデータ化するサービスだ。さらに、仕入データとの明細レベルでの照合もAIが実施する。日本電設資材は、照合作業の属人化を解消し、退職や異動が発生しても業務を止めない運用基盤を構築できる点を評価した。

 一方、TOKIUM AI経費承認は、AIが申請内容や証憑(しょうひょう)を確認し、一次承認や差し戻し対応を代行する。これにより、経理担当者の工数削減に加え、申請者と承認者双方の手直し負担を軽減できる点が選定のポイントとなった。

 今回の導入に合わせ、日本電設資材はAIによる問い合わせ対応やAI出張手配も導入している。一連のAIエージェント活用によって、これまで人が対応すべきだと考えられていた定型業務をAIへ委ねる体制を整えた。

 日本電設資材 情報管理部の日向氏は、「経費精算の差し戻し対応、明細入力、社内からの問い合わせ対応といった“目に見えない業務負担”が膨らんでいた」と説明する。今後は、勘定科目の判断や差し戻し対応など、これまで属人化していた業務をAIが担うことで、経理部門が財務戦略や組織運営のサポートといった、より付加価値の高い業務へ注力できる体制を目指すとしている。

(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「日本電設資材、AIで経理業務を自動化 年間1000時間の工数削減へ」(2026年5月13日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。

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