さまざまなルールが存在する財務や経理の領域では、生成AIをどのように活用すればいいのか。8つの使用例を紹介する。
生成AI(AI:人工知能)を使った業務の効率化がさまざまな業界で進められている。「新しい技術の導入には保守的だ」という見方がある財務や経理の領域でも、生成AIを活用できる可能性がある。どのような活用法があるのか。
財務諸表の作成や業績の要約において生成AIを使用するのは一考だ。人の目では見落としがちな要素を、生成AIを使って確認する。経営層や投資家、従業員など、特定の読者に合わせ、メッセージや文章のトーンを調整することにも生成AIは役立つ。ただし生成AIは、事実に基づかない回答を出力する現象「ハルシネーション」を引き起こす場合があるため、人の目による確認が必要だ。
財務部門は、予測分析ツールを使用して予算のシナリオを作成する。生成AIを使えば、過去のデータを基に、厳密に変数を定義することなく複数の予算シナリオを作成し、テストすることができる。
過去のデータを学習させた生成AIを使用して、経費を内容ごとに分類することが可能だ。財務部門は、経費の異常値や不要なコストを特定しやすくなる。
規制当局の審査に対処可能な、監査証跡を備えた文書作成にも生成AIは役立つ。生成AIを使えば、現行の規制に準拠した税務申告書や報告書を作成できる可能性があるが、専門家による確認は必要だ。
生成AIを使って、サプライチェーンで発生し得る混乱やマクロ経済の変化など、将来起こり得るさまざまな可能性をシミュレーションすることが可能だ。状況に応じた問題の解決策を生成AIが提案し、CFO(最高財務責任者)の意思決定を支援する。
大量のデータから学習した生成AIを使って、不正取引を検出することも可能だ。顧客の支出額や支出先に変化が生じたといった動きをAIが検出し、その内容を基にCFOが不正取引の対策を立てることができる。
M&Aを実施する前のデューデリジェンスにも生成AIは有用だ。報告書や財務データを要約したり、重要なポイントを特定したりして、M&Aを実施する場合のメリットやリスクを精査することが可能だ。
財務部門における従業員トレーニングや研修資料を作成する際、財務関連の知識や法令に沿った内容にするため、複雑なものになる傾向がある。生成AIを使用すれば、最新の財務関連の法律に基づいたトレーニングや研修資料を開発しやすくなる。特定の職務に向けた研修資料を作成することも可能だ。
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