Cybereasonは、IT・セキュリティ責任者を対象とした調査レポートを公開した。自社の防御態勢を「極めて効果的」と評価した企業は20%にとどまり、AI時代の防御体制構築に苦慮する実態が明らかになった。
Cybereasonは2026年4月、調査レポート「ペルソナ スポットライト:CIO(最高情報責任者)」を公開した。
レポートからは、AI技術の進化によってサイバー攻撃が高度化、高速化する中、技術的にはAIの必要性を理解しつつも、組織の体制や予算が追いついておらず、実戦防衛に強い危機感を抱くCIOの苦悩が数値として明示された。
調査対象は、米国や英国、ドイツ、インド、韓国など12カ国のIT・セキュリティ責任者ら1500人。CIOやCISO(最高情報セキュリティ責任者)、ITアーキテクト、ITエンジニアなどを対象に、2025年1月に実施した。
レポートによると、51%のCIOおよびIT部門関係者が「今後12カ月以内にAIを活用した攻撃が発生する」と予測していることが分かった。一方で、「AIを活用した攻撃者への防御が極めて効果的」と回答した企業は20%にとどまっており、多くの企業が“AI時代の防御”に不安を抱えている実態が浮き彫りになった。
調査によると、回答者の72%は「脅威検知やインシデント対応能力を向上させるには、AI駆動型サイバーセキュリティツールが必要」と回答した。さらに71%は、「適応型セキュリティを整備すれば、企業はより大胆なイノベーションに挑戦できる」と考えている。
一方で、実際にAIセキュリティ対策が機能していると感じている企業は少ない。
AIを活用した攻撃への自社防御について、「極めて効果的」と答えたのは20%だった。つまり、多くの企業は「AI活用は必要」と理解しながらも、現場レベルでは“どう守ればいいか分からない”状態にあるとみられる。
背景には、AI時代特有の防御難易度の上昇がある。生成AIによって攻撃メールやマルウェアが高速かつ大量に生成されるようになったことで、従来型の対策だけでは十分に対応できなくなっている。
さらに調査では、多くの企業が依然として“事後対応型”のセキュリティ運用から脱却できていないことも明らかになった。
回答者の62%は、過去2年間で「脅威の予防や検知」よりも、「発生したインシデントの火消し」に多くのコストを費やしたと回答した。
46%の回答者は、「セキュリティ戦略がよりプロアクティブ(予防型)にならなければ、被害はさらに拡大する」と考えている。
内部運用されるセキュリティソリューションについて、「効果的」と答えたのは41%。全社的なサイバーセキュリティ文化について「効果的」と回答した割合も47%にとどまった。
これは、単に製品導入だけでは防御力は高まらず、組織全体の運用や文化改革が必要になっていることを示している。
調査では、事業部門とセキュリティ部門の連携不足も課題として浮上した。
セキュリティチームと事業部門の連携について尋ねた質問では、「連携することが非常に効果的である」と評価したのは33%だった。セキュリティをIT部門だけの課題にせず、ビジネス全体に統合する上での障壁を尋ねたところ、「経営層がサイバーレジリエンスを優先していないこと」と47%が回答した。今後12カ月以内に「サイバーセキュリティを事業部門や全プロジェクトに統合する」ことを優先事項として挙げている回答者は49%だった。
AI時代となり、セキュリティをIT部門だけの問題として扱うことは困難となりつつある。営業や開発、マーケティング、人事などあらゆる部門が生成AIやAIエージェントを利用するためだ。その結果、セキュリティ部門だけではリスクを管理し切れず、「事業部門を含めたレジリエンス設計」が必要となりつつある。
調査からは、ソフトウェアのサプライチェーンを狙う攻撃に対してCIOが強い警戒感を示していることも分かった。
回答者の56%以上はソフトウェアサプライチェーン攻撃を“差し迫った脅威”だと認識しており、59%は「ソフトウェアの流通チャネル」、57%は「第三者リスク管理」に高いリスクを感じていると回答した。
一方で、ソフトウェアのサプライチェーンに対する攻撃に「非常に効果的に対応できている」と回答したのは22%のみだった。一方、回答者の70%は中程度以上の投資を始めているという。
AIの導入とサプライチェーンのリスク管理について尋ねた質問では、「AIの導入がサプライチェーンの新たなリスクになる」と回答したのは25%にとどまった。CIOの大半は、AIを“新たなリスク”としてだけではなく、「サプライチェーンリスク管理を強化する技術」として期待しているとCybereasonは指摘する。
Cybereasonは、AI時代にサイバーレジリエンスを強化するに当たって、企業に以下の実施を勧めている。
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