トレンドマイクロ、仮想化セキュリティに対応するサーバ向け製品を発表NEWS

トレンドマイクロは、2010年はクラウドに注力する方針を示すとともに、「Trend Micro Deep Security 7.0」を発表した。仮想化/物理サーバ環境に統合的なセキュリティサービスを提供する。

2010年01月25日 09時00分 公開
[荒井亜子,TechTargetジャパン]

 トレンドマイクロは1月21日、2010年の事業戦略と、VMwareによる仮想化環境に対応するサーバ向けセキュリティ対策「Trend Micro Deep Security 7.0」を発表した。

 同社が掲げる2010年のワールドワイドのスローガンは「Security That Fits」。激変する世界のIT環境に対し、ピンポイントかつスピーディーにセキュリティサービスを提供していく(=フィットさせていく)には、クラウドによるサービス提供が欠かせないと方針を語った。

 クラウドへの対応を加速化する背景について、同社 取締役 日本地域担当 大三川彰彦氏は、「新興国をはじめ世界のIT環境は激変している。例えば、新興国ではPCの需要が増加している。今後、新興国のIT環境は、遅れていた分一気に変化するだろう。セキュリティサービスもクラウドで対応していかなければ、サービス提供が間に合わない」と説明した。

画像 トレンドマイクロ 大三川彰彦氏

 従来は、クラウドとクライアントPC/サーバが連携した仕組み「Trend Smart Protection Network」(関連記事参照)で、ハイブリッド型セキュリティソリューションを提供してきた同社だが、2010年はデータセンターやクラウドサービス事業者を対象に、クラウド型サーバセキュリティソリューションを提供する。そのために2010年は、仮想化技術で強みを持つ企業とのアライアンスを国内外問わず積極的に実施する予定だ。

 同社はクラウド型セキュリティソリューションの第一段として、「Trend Micro Deep Security 7.0」(以下、TMDS)を3月1日に提供開始する。TMDSの特徴は、1つのアーキテクチャで、仮想化サーバ、物理サーバに統合的なセキュリティサービスを提供することだ。「Deep Security エージェント」「Deep Security Virtual Appliance」「Deep Security マネージャ」の3つの製品で構成される。

 Deep Security エージェントは、IDS/IPS(不正侵入検知/防御)、ファイアウォール、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの攻撃を阻止するWebアプリケーションプロテクション、システムへの不正な変更を発見する改ざん検知、セキュリティログ監視という5つの機能を備える。物理サーバ/仮想化サーバのゲストOSごとに導入するエージェントとして機能し、Windows、Solaris、Linux(Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux)およびHP-UX、AIXといった主要プラットフォームをサポートする。

 また、Deep Security Virtual Applianceは、仮想化サーバのホストOSに導入し、エージェントレスのゲストOSにIDS/IPS、Webアプリケーションプロテクション、ファイアウォールの各機能を提供する。ヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware vSphere 4」に対応し、「VM Safe」のAPIを利用してハイパーバイザー上にあるゲストOSのセキュリティを一括して保護することができる。

 Deep Security マネージャは、Deep Security Virtual Applianceおよび複数のDeep Security エージェントを集中管理するツール。Windows、Solaris、Linuxなど主要サーバOSに導入した製品のセキュリティポリシーを一元管理し、分析リポートの出力、タスクスケジュール設定、既存のログ統合システムや監視システムとの連携といった機能を持つ。対応プラットフォームは、Windows Server 2003/2008(32/64ビット)。

 標準価格は、Deep Security エージェントは1サーバ当たり8万4000円、Deep Security Virtual Applianceは1CPUソケット当たり23万円、Deep Security マネージャは1サーバ当たり237万5000円(いずれも税別)。発売後1年で4億円の売り上げを見込む。

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