真の脅威はSaaS
IT部門がSaaSではなくIaaSを使うべき理由
IT部門の多くはIaaSプロバイダーを使うことに恐怖を抱く。だがIaaSは本当に、企業のIT部門を脅かす存在なのか。
開発者は寿命の短い仮想マシンを常に迅速に導入する必要がある。IT部門がこの需要を満たせないのなら、別の選択肢を考えるべきかもしれない。現在はIaaS(Infrastructure as a Service)にさまざまな選択肢があり、開発者のニーズを満たすことが可能だ。だがIT部門の多くはIaaSプロバイダーを使うことに恐怖を抱く。IaaSは本当に、企業のIT部門を脅かす存在なのか。
IaaSプロバイダーが提供するもの
IaaSの調達はITの世界の一部だ。通常はPCやソフトウェアを調達する人が担当する。IaaSプロバイダーを利用するということは、単にITに関する意思決定が1つ増えるということだ。すなわちコンピュータハードウェアを購入するか、それとも他社のハードウェアを使うかを選択する。IaaSベースの仮想マシン(VM)に必要なメンテナンスとモニターは、社内のVMを運用する場合と変わらない。
IaaSプロバイダーは、インフラとVM、さらにある程度の基盤となるネットワークを提供する。低コストのVMをすぐに必要とする開発者のニーズにIT部門が対応できない場合、IaaSの恩恵を受けられるかもしれない。この場合、もしIaaSがなければ、開発者は自分のデスクの下に2台目のPCを置くか、VMware WorkstationまたはOracle VM VirtualBox(関連記事:VirtualBoxをUSBデバイスで実行できる「Portable-VirtualBox」の使い道)でVMを運用する必要に迫られる。
テスト環境や開発環境は一般的に短命で、本番環境に求められるようなレベルの可用性は必要としない。従って、IT部門は共有ストレージのコストを伴わず、かつVMの寿命が厳密にコントロールされた、低いレベルのサービスを提供する必要がある。ほとんどのIaaSプロバイダーはこのレベルのサービスを提供していて、多くの開発者のニーズを満たすことができる。
IaaSとエンタープライズIT戦略の融合
テストと開発の期間を超えてVMを運用する場合、特に本番環境で利用する計画があるならばメンテナンスが必要になる。導入した時点でOSは最新のパッチが適用されているかもしれないが、顧客の協力を得なければ、IaaSプロバイダーが既存のVMに新しいパッチを適用することはできない。そのVMで本番システムをホスティングするためには、顧客がバックアップとウイルス対策を整える必要がある他、コンプライアンスとセキュリティ対策も必要になる。これはIaaS上のVMと、企業のファイアウォール内にあるVMの両方に当てはまる。本番環境にIaaSを導入する場合でも、IT部門はやはりその環境が必要な条件を満たすことを保証しなければならない。
SaaS(Software as a Service)はこれとは全く別の問題だ。SaaSの場合、ベンダーやサービスプロバイダーがホスティングしているアプリケーションを企業が選び、ネットワークを介して顧客に提供する。この場合、IaaSと異なり、ある程度のIT機能は省かれる。現在、企業のIT部門にとって脅威となるのは、IaaSプロバイダーよりもむしろSaaSプロバイダーの方だ。SaaSプロバイダーはパッチ適用、アップデート、バックアップ、可用性サービスを担う。これは社内あるいはIaaSモデルにおいてはIT部門が担う作業だ。
企業のIT部門は自らこうしたサービスを提供することによって、あるいはベンダーのサービスを仲介することによって、IaaSを取り入れる必要がある。IT部門は開発者の仕事を後押しすべきであり、妨げてはならず、リスク管理をSaaSに向けなければならない。開発者が求めるレベルのサービスを提供またはクリアできれば、予期せぬ不快な事態を避けられるだろう。
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