世界662人に調査
VDIユーザーが最も使う「アプリ仮想化製品」はどれだ?
デスクトップ仮想化を活用する企業は、どういった運用形態を採用しているのか。企業規模別の導入意欲は。調査結果をひも解くと、意外な事実が明らかになった。
Project VRC(訳注:オランダのIT企業が参画する仮想化関連の独立系研究開発プロジェクト)が2012年に実施したデスクトップ仮想化(VDI)の現状に関する調査、「Desktop Virtualization State of the Industry」の結果が最近発表された。調査には世界各地の662人が回答。結果は通説通りのもあれば、通念を裏切るのもあった。アプリケーションやVDIの展開について、特に興味深い点を以下に幾つか紹介する。
ポイント1:「ステートレス」なVDIが予想よりも多く利用されている
調査によると、回答者の32%が基本的にVDIを「ステートレス」で使用している。ステートレスなVDIの場合、ユーザーがログインするたびに、ユーザーの個別設定が適用されていないイメージにユーザー固有のイメージをマージする。
ステートレスなVDIの導入は、ストレージ容量や管理性、エンドユーザー側の柔軟性の間で微妙なバランスを取らなければならない複雑なプロセスだ。ステートレスなVDIに魅力を感じていた企業が、VDIを導入したものの、バランスの調整が難しいケースをこれまでに目にしてきた。
世界中のアナリストがこの複雑さを引き合いに出し、通常のVDI導入がステートレスではなく「パーシステント」である理由を説明している。パーシステントなVDIは、基本的に物理デスクトップと同じだ。ユーザーごとに専用のリソース、つまり専用のストレージと専用の仮想マシン(VM)が割り当てられる。
どちらのVDIの展開方法にも長所と短所がある。特別な設定をしないのであれば、パーシステントなVDIの方が導入しやすいことが分かっている。ところが、前述の調査では逆の結果となり、企業でのVDIの使い方が変化していることを示唆している。
今後は、この変化を引き起こしている要因は何かを理解し、ステートレスなVDIとパーシステントなVDIのそれぞれにとって適切なケースを特定する必要があるだろう。さらに36%の組織で、ある程度ステートレスなVDIが使用されている。潮目が変わりつつあるのかもしれない。
ポイント2:アプリケーション仮想化は広く使われているが、拡大の余地あり
25%の回答者が、VDI環境でアプリケーション仮想化を全く使用していないと回答している。最も使用されている製品は「Microsoft Application Virtualization(App-V)」で、「VMware ThinApp」「Citrix XenApp」と続く。アプリケーション仮想化を全く使っていないと回答した人は、恐らく完全にパーシステントなデスクトップを使っている、もしくは全てのアプリケーションをイメージに含めていると考えられる。
サーバベースコンピューティング(以下、SBC)環境では、回答者の36%近くが「アプリケーション仮想化を全く使用していない」とし、それよりもわずかに多い37%が「App-Vを使用」と回答した。3位以下はCitrix XenApp(19%が使用)、VMware ThinApp(5%が使用)、その他である。
この結果から、アプリケーション仮想化にはまだまだ拡大の余地があると考える。アプリケーション仮想化でデスクトップの管理性を向上できるし、他のデスクトップ展開の方法も短時間で実現できるようになる。既に物理デスクトップでアプリケーション仮想化を利用しており、これからVDIやSBCを導入する場合は、アプリケーションのストリーミング先をVDIやSBCへ変えるだけで済む。
ポイント3:スモールビジネスのVDI導入は不振
調査結果によると、大企業の回答者のほとんどは、「今後2年間でVDIの利用を拡大する」と考えている。中堅企業では現状維持だが、小規模企業では縮小傾向にあるようだ。これが意味するところは幾つか考えられる。
小規模企業は、米Best Buyのような家電量販店に行って安いコンピュータを購入し、壊れるまで使うといった昔ながらのやり方を変えていないだけかもしれない。あるいは、Desktop as a Service(DaaS)やその他のマネージドサービスの導入を検討したり、あるいは実際にVDIを取り入れてみて、自力で導入するのは簡単ではないと気付いた可能性もある。
ITスタッフがいない小規模企業が独自にVDIを導入すべきだという主張には、私はそう簡単に賛同できない。(いまいましいライセンスが邪魔さえしなければ)DaaSとVDIはとても相性がよい。調査結果が示唆するところが、小規模企業がVDI導入を自ら試したことではなく、マネージドサービスを利用する方向に進んでいることであればよいと思う。
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