「何を、どう管理できるのか」に注目
失敗しない、管理者の負担を減らす「MDM」の選び方
モバイルデバイス管理(MDM)製品は、何を管理したいか、どう管理したいかによって選定すべき製品が異なる。製品選定の際に考慮すべきポイントをまとめた。
スマートデバイス管理を効率化する「モバイルデバイス管理(MDM)製品」は、管理可能な要素や管理性などに違いがある。本稿は管理機能に絞り、MDM製品の選び方を解説する。セキュリティ機能に焦点を当てた選定ポイントは、「失敗しない、セキュリティ対策に役立つ『MDM』の選び方」にまとめた。
MDM製品の管理機能を評価する際に注目すべきポイントとして、以下の3点が挙げられる。
- 何を管理できるか
- 管理性向上の仕組みはあるか
- 確実な管理を可能にする仕組みはあるか
以下、それぞれについて詳しく見ていく。
ポイント1:何を管理できるか
MDM製品によって、管理可能な要素に違いがある。自社が何を管理したいのかを明確にした上で、まず必要な要素を管理できるかどうかを確認することが重要だ。MDM製品の主要な管理機能を整理すると、以下の3種類に大別できる。
- 端末/資産管理
- アプリケーション管理
- コンテンツ/データ管理
端末/資産管理
端末/資産管理機能は、MDM製品の基本機能だ。端末のOSやファームウェアのバージョンを監視したり、無線LANやVPNといったネットワーク設定を配布したりすることができる。収集できる情報や設定可能な要素については、MDM製品間の差異は小さくなりつつある。ただし、製品によって管理可能なOSや端末に違いがあるので確認しておきたい。
アプリケーション管理
多くのベンダーがMDM製品への搭載を急いでいるのが、アプリケーションの配布や利用制限といったアプリケーション管理機能である。アプリケーションの配布やバージョンアップ管理が可能な企業内アプリケーションストアの構築機能、ホワイトリストやブラックリストを利用したアプリケーションの起動制限機能を備えたMDM製品がある。「モバイルアプリケーション管理(MAM)製品」として、こうした機能を単体製品として提供する動きもある。
コンテンツ/データ管理
欧米のMDMベンダーを中心に提供が進みつつあるのが、端末内のコンテンツやデータを管理する機能だ。ドキュメントの配布や更新をしたり、暗号化やポリシーに基づくアクセス制御を可能にする。現時点では、MDM製品の標準機能ではなく、有償オプションや「モバイルコンテンツ管理(MCM)製品」といった別製品としての提供が主流だ。
ポイント2:管理性向上の仕組みはあるか
必要な要素を管理できても、管理作業に負荷が掛かると業務効率は向上しない。製品選定時にはMDM製品に管理性を向上させる仕組みがあるかどうかを確認しておくことが重要だ。
こうした仕組みの代表例が、グループ単位での管理機能である。「営業部」「開発部」といった部署ごとに別個のポリシーを適用したり、管理画面で部門ごとの端末情報を表示したりすることができる。MDM製品によっては、階層構造を持つグループを作成可能だ。Active DirectoryやLDAPといったディレクトリサーバに登録されたユーザーやグループ単位で管理可能なMDM製品もある。
複数管理者の指定を可能にする動きもある。上述したグループごとに管理者を指定したり、管理者によって管理可能な項目を変更したりすることができる。その他、管理画面の分かりやすさも選定基準の1つだ。
ポイント3:確実な管理を可能にする仕組みはあるか
管理項目と管理性に加えて確認すべきなのが、確実な管理を可能にする仕組みである。特にスマートデバイス数千台以上の大規模導入の場合、管理サーバの負荷分散が可能かどうかといったアーキテクチャの確認は必須だ。加えて、実際に大規模環境での管理実績があるかどうかも調べておくべきである。
アプリケーションやコンテンツ管理の場合、管理可能なファイルサイズの最大値も確認しておく必要がある。スマートデバイスで大容量ファイルを扱うことが多い企業は特に注意が必要だ。また、エージェントの停止や削除を防いだり、設定情報を不正に削除/変更されたりしないための仕組みがあるかどうかも確認しておきたい。
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